1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62530083
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
武田 安弘 愛知学院大学, 商学部, 教授 (10064817)
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Keywords | 資金収支表 / 現金フロー計算書 / 資金計算書 / 資金概念 / 資金情報の開示 |
Research Abstract |
昭和63年度の研究計画に基づき、昭和63年3月決算の東証一部上場会社500社の資金収支表の開示の実態を調査検討を試みた。こうした詳細な調査研究は、わが国における最初のものであり、その成果は次のとおりである。 1.会社が公表している資金収支表は、表示様式および開示科目について画一化がみられ、他方、割引手形および投資有価証券から一時所有の有価証券への振替額の表示に、多様化がみられる。その表示方法についての問題点は、次のとおりである。 (1)割引手形は営業収入に含め、当期手形割引高および期日落高を注記すること。(2)「低下法適用に伴う評価損等調整額」は「資金収支を伴わない資金増減額」に改め、低価法適用による有価証券評価損および外貨預金等の為替換算差額と、投資有価証券から一時所有の有価証券への振替額は性質が異なるから、区分表示すること。(3)その他の収入・支出の金額が相当大きいにもかかわらず注記をしていないものが多いが、金額が重要な場合は別掲表示すべきこと。(4)関係会社に対する投融資が別掲表示されていないが、別掲表示すべきこと。(5)資金計画の作成基準が示されていないこと、および資金計画と資金収支実績の差異が大きいが注記されていないこと。 2.この調査研究から、(1)資金概念、(2)資金収支の活動別表示、(3)決算支出の表示、(\)補助情報の開示について提言を試みた。 3.昭和63年度の研究計画のうち、損益計算書と資金収支表の比較分析は現在続行中であり、平成元年4月末日までは終了する予定である。 4.本研究は、補助金交付は昭和63年度までであるが、研究期間は平成2年3月末までの3年間であり、平成元年度はこれまでの研究の総合的整理と補充による研究成果をまとめる計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 武田安弘: 愛知学院大学商学論叢『商学研究』. 33-2. 13-34 (1988)
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[Publications] 武田安弘: 愛知学院大学商学論叢『商学研究』. 33-34. 1-37 (1988)
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[Publications] 武田安弘: 愛知学院大学商学論叢『商学研究』. 34-1. 113-140 (1988)
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[Publications] 武田安弘: 産業経理. 48-4. 10-19 (1989)
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[Publications] 武田安弘: 愛知学院大学経営研究所所報『地域分析』. 27-2. 1-37 (1989)