1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540099
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
栗原 光信 山梨大学, 工学部, 教授 (50027372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 泉 山梨大学, 工学部, 助教授 (60126654)
鈴木 俊夫 山梨大学, 教育学部, 助教授 (20020472)
中井 喜信 山梨大学, 教育学部, 助教授 (40022652)
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Keywords | 差分微分方程式 / 境界値問題 / 完全連続作用素 / Rieszの理論 / 存在定理 / 逐次近似法 / Chebyshev多項式 / Galerkin法 / 近似解法 / 誤差限界 / Newton-Raphson法 / 関数微分方程式 / 近似解法アルゴリズム |
Research Abstract |
非線型差分微分方程式のHalanay型境界値問題を特に攻究し, 研究計画に従って研究分担者との共同研究により, 下記の様な研究実績を得た. まず, 線形差分微分方程式の同型境界値問題を, 同方程式の初期値問題に対する解の積分表示を用いて, 積分方程式に帰着させた. この主要部の積分作用素が完全連続な線型作用素であることを証明できたので, Rieszrの理論が適用でき, Halamayの結果と同様な結果を得た. Rieszの理論としては, その代数的構造と位相的構造を明確にして再構成した福原の積分方程式理論を用いた. この線型問題を基礎として, 近似解の近くに厳密解の存在を示す占部型存在定理の証明を, 非線型差分微分方程式の同じHalanay型境界値問題に関して完成した. 証明の中で, やゝ複雑な逐次近似法を採用した. 境界値問題に対する近似解法としては, Chebyshev多項式を基底関数とするGalerkin法を適用した. 境界値問題を2つの区間上の問題として分離し, 各々をChebyshev多項式の定義域[-1, 1]に変換して, 再構成した. この形の上で, 実際十分大きい任意の次数のChebyshev多項式近似解が構成できること, 並びにその近似解が次数を増加するとき厳密解に一様収束することを保障する定理を証明できた. さらにこの定理により近似解と厳密解との誤差限界が与えられた. 一方, この近似解の構成法によって最終的に導かれる未定係数の非線型代数方程式に対し, Newton-Raphson法に基づく計算機用の近似解法アルゴリズムを開発し, 大学院生等の協力を得てコーディングと数値実験を実行した. ほゞ研究目標に達し, 研究計画に従う遂行が出来たと思われる. 今後の課題として, 他種の型の境界値問題への拡張や差分微分方程式を特殊形として含む関数微分方程式への拡張が考えられる. また, 近似解法アルゴリズムの実行効率改良も課題である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Toshio Suzuki: Mem. F. Liveral Arts & Educations, Yamanashi University. 37. 6-10 (1987)
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[Publications] Igumi Miyamoto: Reports F. Eng., Yamanashi Univ.37. 62-64 (1986)
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[Publications] Yoshitane Shinohara;Mitsunobu Kurihara: Japan Journal of Applied Mathematics. 3. 315-330 (1986)