1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540176
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
横沢 正芳 茨城大学, 理学部, 助教授 (30158357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 靖夫 茨城大学, 教育学部, 教授 (30007520)
石塚 俊久 茨城大学, 理学部, 助教授 (70007558)
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Keywords | 電磁流体 / ブラック・ホール / 降着円盤 |
Research Abstract |
1.ブラック・ホール近傍の電磁場分布 ブラック・ホールに降着するプラズマに凍結した磁場の振舞いが研究された. ブラック・ホールが回転している場合, 時空のひきずりの効果により, 磁力線の巻き込みが生ずる. これを利用したブラック・ホールのエネルギー解放機構が考えられる. 我々は, Kerrブラック・ホールに降着する, 電気伝導率無限大のプラズマに凍結した磁場の解析解を求めた. プラズマの速度分布が, 無限遠で静止, 角運動量零で自由落下の場合には, 特性曲線の方法により, Maxwell方程式を解くことができる. 初期条件として, 一様磁場をとると, 磁場の各成分が, ブラック・ホールの遠方では, 時間tのべき乗で, 近傍では, 指数関数的に成長していく. 特に回転方向の成分(ψ)は, 初期には零であるが, 時間の経過と伴に, ブラック・ホールの遠方ではαt, 近傍ではαexp(t)のように増大する. 従って, 磁力線の巻き込みは, 定常的な磁場の解に比べ, 時間と伴に急速に激しくなる. この解から, ブラック・ホールに降着するプラズマによって形成される降着円盤がつくる電磁場のブラック・ホール地平線での境界条件を検討することができる. また, 慢性系のひきずりにより, ブラック・ホールの回転エネルギーが磁力線を通して外側のガスに伝わっていく際のエネルギーの引き抜き量と, 角運動量の伝播量を評価できる. 2.磁気流体波の運動方程式 ブラック・ホール周辺に形成される降着円盤内の流体が微分回転し, 磁気流体波を発生させる. 磁気流体波は周囲のガスに運動量と, エネルギーを与え, 外向きの流れを形成する. このときに生ずるガスと磁気流体波の相互作用を, 基本的な磁気流体のラグラジアンに基いて検討された. 磁気流体波の運動量概念が明確になった.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Yoshikawa: Progress of Theoretical Physics. (1988)
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[Publications] M.Yokosawa: Physics of Fluids. (1988)
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[Publications] T.Yashida: Publication of Astronomical Society in japan. (1988)
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[Publications] Y.Tanaka: Proceeding of I.A.U.Col.″Atmospheric Diagnostics of Stellar Evolution,Chemical Peculiarity,Mass Loss and Explosion ed.Nomoto. (1988)
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[Publications] T.Iahizuka: 茨城大学教育学部紀要. 37. (1988)