1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540176
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
横沢 正芳 茨城大学, 理学部, 助教授 (30158357)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 靖 茨城大学, 理学部, 助手 (20206569)
|
Keywords | ブラック・ホール / 降着円盤 / 磁気流体波 |
Research Abstract |
1.ブラック・ホール近傍での音波、磁気流体波の伝播 ブラック・ホール周辺に形成される降着円盤内の流体が微分回転し、磁気流体波を発生させる。磁気流体波は周囲のガスに運動量とエネルギーを与え、外向きの流れを形成する。ブラック・ホール近傍でのビーム流形成に、磁気流体波が媒体となるエネルギー・運動量伝達機構が重要な役割を担うため、波の伝播機構の一般的特性をブラック・ホール近傍で調べた。第1に、厚い降着円盤内の音波の伝播特性を調べた。WKB近似により、一般相対論的幾向音響学により調べた。音波の運動を表現する"音波計量"が定義できる。この計量によると、ブラック・ホールに落下する液体中又は、降着円盤内には、音波のエルゴ層は現われるが、音波の地平面は存在しないことが分かった。従来、音波の地平面と考えられていた領域は、エルゴ層の特質をもっていた。回転ブラック・ホール周辺での流体の運動を簡潔に表現できる、音波伝播の局所的非回転系が表現された。音波の運動を、有効ポテンシャルで表現すると、音波がブラック・ホールと逆方向に回転運動するときには、ポテンシャルの山がブラック・ホール近傍に表われる。この山より内側で発生する音波は、反射し、回転軸方向に収束する。数値計算により、音波の伝播特性を詳しく調べた。 2.磁場に浸ったカー・ブラック中でのクライン・パラドックス 外磁場が存在すると、負のエネルギー領域は空間的に広がる。磁場が存在するときの、負と正のエネルギー状態間を通過するスピン零粒子の透過確立を計算した。磁場の強さに応じて、透過確立が増大することが示された。降着円盤による磁場が存在するときには、カー・ブラック・ホール近傍では、対創生がエネルギー的に重要となることが分った。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] M.Yokosawa: Proceedings of the YAMADA Conference XX on Big Bang Active Galactic Nuclei and Supernovae. 381-382 (1989)
-
[Publications] M.Yokosawa: Astrophysics and Space Sience. (1989)
-
[Publications] T.Yoshida: Publication of Astronomical Society in Japan. (1989)
-
[Publications] M.Takahashi: Progress of Theoretical Physics. (1989)
-
[Publications] Y.Suto: The Astrophysical Journal. (1989)