1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540177
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
神田 泰 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助手 (80012871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古在 由秀 国立天文台, 台長 (70012789)
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Keywords | 小惑星 / 族 / 摂動理論 |
Research Abstract |
古在によって提案された小惑星の摂動理論に基づき、1989年1月までに登録番号のついた小惑星について軌道要素の不変量を計算した。この場合の不変量は永年摂動についてのもので、軌道平均半径、eとiとをそれぞれ軌道離心率、軌道面傾斜角としたときの Θ=(1-e^2)^<1/2>cosi、近日点引数とともに変化する軌道面傾斜角の最小値である。この三つの不変量をもとに4000個弱の登録番号のついた小惑星の族への分類を試みた。 つぎに、族が小惑星の衝突によって生じたとの証拠を示すために、族に属する小惑星とそれとほぼ同じ軌道半径を持つ小惑星とについて、B(1,0)という明るさの分布を求めてみた。その結果、族に属する小惑星では明るい(大きい)ものは少なく暗い(小さい)ものが多かった。これに対し、族には属さない小惑星は逆で、明るいものが暗いものに比べると比較的多いことがわかった。 そこで小惑星全体の軌道平均半径についての分布を調べると、登録番号が400までの比較的明るいものだけの分布と様子が異なることがわかってきた。 これまでのところ、摂動理論が不完全のためほとんどの族の平均運動(公転の平均角速度)が木星の平均運動と特別な関係にあるところか、近日点経度や昇交点経度の永年的な動きが木星や火星のそれと似た場所にあたっている。そこでは共鳴現象が起きているので取扱が非常にむずかしくなる。今後の研究によって解明の待たれるところである。
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