1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540180
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中桐 正夫 東京大学, 東京天文台, 助手 (00124678)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 裕康 東京大学, 東京天文台, 助教授 (90111559)
家 正則 東京大学, 東京天文台, 助教授 (30111446)
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Keywords | 星団構造と進化 / M44 / 多天体同時分光器 / ファイバ / マニピュレータ |
Research Abstract |
1.ファイバ駆動マニピュレータの開発製作 望遠鏡の焦点面から分光器まで同時に複数の天体の光を導くために光ファイバを用いるが, これの光導通直径は50μmであり, 日本国内の望遠鏡によって得られる天体の像の直径は50〜80μmであり, 光ファイバを±5μmの精度で位置決めする精密駆動装置の開発製作が今年度の主たる目的であった. 元来望遠鏡焦点における天体の位置は赤経, 赤緯で表示される. しかし, 光ファイバを動かすマニピュレータは望遠鏡の焦点面の(x,y)座標に, マニピュレータの回転中心から(θ,r)の駆動, すなわち回転, 直進の動きによって達成されなければならない. これはそれぞれのマニピュレータの原点からステップモータのステップ数によるハード機構とソフトを開発することによって達成した. 原点の停止位置精度は±2μm, 回転駆動は6.4〃/ステップ, 直進駆動は2.5μm/ステップにより位置決め精度は±5μmを達成した. また望遠鏡写野の赤経, 赤緯座標とマニピュレータ機構の(x,y)座標とを完全に合致させることは不可能なのでこの傾きΘを検出するソフトを開発し, これをもとに座標変換をして天体を光ファイバで捕らえることに成功した. 2.堂平観測所における観測実験 1988年2月4〜7日に亙って観測実験を行い, ファイバ駆動マニピュレータ座標の望遠鏡の赤経, 赤緯座標への変換の手順を習得し, またイメージファイバによるガイド機構が所期の目的を達成していることを確認した. この研究の目的は星団構造と進化の研究であり, 今回は観測対象としてはM44を選択した. 今後よりたくさんの星団を観測研究を進めるとともに, マニピュレータの改善を計りたい.
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