1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540183
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
野本 憲一 東京大学, 教養学部, 助教授 (90110676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江里口 良治 東京大学, 教養学部, 助手 (80175231)
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Keywords | 超新星 / X線 / γ線 / 放射性元素 / 元素合成 / パルサー / 中性子星 / SN1987A |
Research Abstract |
大マゼラン雲に出現した超新星の光度曲線のその後の変化の予測と観察された光度曲線の解析とが主要な研究内容であった。主な結果は次のようにまとめられる。 1.可視光の巾広いピークが、水素の再結合によって生じるものであり、ピークの巾の広さは、水素がどこまで内部深くにまで混合しているかによることが判明した。SN1987Aを説明するには、中心近くまで、外層の水素が混合していなければならない。 2.X線のスペクトルと光度曲線は、基本的には56Coの崩壊によって放出されたγ線がコンプトン散乱によってX線にかわったとするモデルでよく説明できる。ところが、「ぎんが」の観測したX線は、予想よりずっと長期にわたってほぼ一定の強度を保っていた。これは、爆発した星の中心部にある重元素の光電吸収を減らすことによって説明ができた。言いかえると、爆発の際にガスは塊状になってすきまを作っていると仮定するのである。そう考えれば、必ずしも、パルサーからのX線があるとする必要がなくなることがわかった。 3.600日目以降になると、可視光の光度曲線の減少が目にみえてゆっくりとしてきた。これが56Co以外のエネルギー源であると想定して、今後のX線や可視光の変化を予測した。具体的には、57Coの崩壊と、いろいろなタイプの中性子星である。そして、今後の観測によって、実際に中性子星があるのかないのかを判定することが出来る。 4.1989年1月には、0.5ミリのパルサーの検出が報告された。これは最短周期である。そこで、江里口を中心として、回転中性子星のモデル計算をおこない、超高密度の状態方程式に重要な制限がつくことを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T,Shigeyama.;K,Nomoto.;M,Hashimoto.: Astronomy and Astrophysics. 196. 141-151 (1988)
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[Publications] S,Kumagai.;M,Itoh.;T,Shigeyama.;K,Nomoto.;J,Nishimura.: Astronomy and Astrophysics. 197. L7-L10 (1988)
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[Publications] H,Saio.・K,Nomoto.;M,Kato.: A strophysical Journal. 331. 388-393 (1988)
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[Publications] H,Saio.;K,Nomoto.;M,Kato.: Nature. 334. 508-510 (1988)
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[Publications] K,Masai.;S,Hayakawa.;H,Inoue.;H,Itoh.;K,Nomoto.: Nature. 335. 804-806 (1988)
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[Publications] H,Itoh.;K,Masai.;K,Nomoto.: A strophysical Journal. 334. 279-294 (1988)