1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540186
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤本 光昭 名古屋大学, 理学部, 教授 (70022580)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花輪 知幸 名古屋大学, 理学部, 助手 (50172953)
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Keywords | 銀河磁場 / 発電作用 / 回転ガス楕円体 / 重力収縮 / 巨大分子雲 / 速度分散 |
Research Abstract |
1.渦状銀河の双対称渦巻(BSS)磁場の発展方程式を銀河円盤の広い領域にわたって解いた。その際、磁場の乱流拡散と乱流のサイクローンによる発電作用を導入した。BSS磁場が微分回転のもとにあってもその形を変えず10^9年以上にわたって維持されることを確認した。電波の偏波で観測されたBSS磁場も一種の回転紋様とみてよいことになった。一方、この回転紋様の回転角速度はたまたま渦状密度の回転角速度に近いことから、BSS磁場と密度波の準共鳴相互作用の存在することがわかった。密度波の形成・維持にBSS磁場が直接関与している。 2.外場のもとにある回転ガス楕円体の重力収縮などの非線形運動を追跡できる数学的方法を開発した。その応用として、銀河中心核など潮汐力のもとにある星間ガス雲の平衡形状、安定性、重力収縮を求めた。あるタイプのガス雲では、非軸対称収縮のとき大振幅振動をすることを見出した。これが星形成活動とどのような関係にあるのかが次の問題となった。さらに、この方法を爆縮する回転中性子星に応用し、中性子からの重力波の放射とその反作用を調べ、将来、重力波の観測が行われるときの基礎資料を作った。 3.恒星と巨大分子雲の重力相互作用を最接近近似法を用いて解いた。この方法は数値シミュレーションではあるが、力学マサツを自動的に取り入れられているため極めて現実に近い状況を再現している。その結果星の巨大分子雲による無秩序加速が従来考えられていたほど能率のよくないことがわかった。巨大分子雲が恒星の運動を乱してもそのエネルギーのおおくの部分は星の平均位置を変えるのに使われ、移動先における銀河円運動からのずれ(速度分散)は小さくなってしまうためである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fujimoto,M.: Astron,Nachrich.1989 (East Germany). (1989)
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[Publications] Yasutomi,M.: Publ.Astron.Soc.Japan. (1989)
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[Publications] Tatematsu,Y.: Publ.Astron.Soc.Japan. (1989)