1988 Fiscal Year Annual Research Report
複合粒子の低エネルギー有効理論とTeV領域の複合クォーク・レプトン模型
Project/Area Number |
62540202
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山脇 幸一 名古屋大学, 理学部, 助手 (90135301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂東 昌子 愛知大学, 教養部, 教授 (20025365)
沢田 昭二 名古屋大学, 理学部, 助教授 (50022546)
大貫 義郎 名古屋大学, 理学部, 教授 (90022532)
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Keywords | テクニカラー / 複合ヒッグス / スケール不変テクニカラー / 紫外固定点 / 異常次元 / 対称性の力学的破れ / 臨界曲線 |
Research Abstract |
1.テクニカラー理論の研究では、Schwinger-Dyson方程式の解の研究が格段に進み、現実的な模型構築に向けて大きく踏み出した。先ず前年度からひき続いて行った研究として、「ゆっくり変化する」結合定数をもつ漸近自由なテクニカラー理論が、申請者の主唱した固定点ゲージ理論に比して、FCNC問題を解決しえないことを、前年度の解析的な分析に続いて数値的にも明らかにした(青木健一・坂東昌子・美濃英俊・野々山龍彦・宗博人・山脇幸一の共著)。さらに、拡張されたテクニカラー(ETC)もしくは複合テクニフェルミオン模型による有効4体フェルミ相互作用を採り入れたはしご近似のSchwinger-Dyson方程式の新しい解を発見し、カイラル相転移の臨界曲線を見出した(近藤慶一・美濃英俊・山脇)。さらにこの臨界曲線上でディラトンの存在を調べ否定的な答を得る(同上の共著。野々山龍彦・鈴木剛・山脇の共著)とともに、くり込み群の流れを含めた相転移の構造を明らかにした(近藤・美濃・野々山・鈴木・山脇)。また、この臨界曲線の近くでは異常次元が、4体フェルミのない場合(γm=1)と比して、さらに大きな値(1<γm>2)をとることが分かった(V.A.Miransky・山脇)。これを用いて、テクニカラーに止まらず複合ヒッグス模型のより一般的な可能性が拓け、具体的な提案としてt・クォークの凝縮機構による模型を提唱した(Miransky・棚橋誠治・山脇)。またこのような系における演算子展開を考察した(Miransky・山脇)。その他、漸近自由理論と4体フェルミ相互作用の共存する系での相転移をも解明した(Miransky・野々山・山脇)。 2.「隠れた局所対称性」の研究では、前年度脱稿した総合報告がPhysics Reports誌に掲載された。
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[Publications] Masako,Gando: Progress of Theoretical Physiscs. 79. 1140-1166 (1988)
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[Publications] Masako,Gando: Physics Reports. 164. 217-314 (1988)
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[Publications] V.A.Miransky: Modern Physics Letters A. A4. 129-135 (1989)
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[Publications] Kei-ichi,Kondo: Physical Review D. (1989)
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[Publications] V.A.Miransky: Modern Physics Letters A. (1989)
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[Publications] Koichi,Yamawaki: "Proceedings of 12th Johns Hopkins Workshop on Current Problems in Particle Theory,Baltimore" World Scientific Publishing Co., (1988)
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[Publications] Koichi,Yamawaki: "Proceedings of 1988 International Workshop on New Trends in Strong Coupling Gauge Theories,Nagoya" World Scientific Publishing Co., (1989)