1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540210
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河合 光路 九州大学, 理学部, 教授 (40016027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 正康 九州大学, 理学部, 助手 (10037210)
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Keywords | チャネル結合法 / 組替反応 / 組替チャネル / 三体系 / 四体系 / パデ近似 / 有限レンジ |
Research Abstract |
本年度は本研究の最終年度に当たる。前年度迄の研究をもとに研究を進め、多くの成果を得た。まず、この研究の柱の一つである、離散下連続チャネル結合法(CDCC)の基礎を現実的な重陽子-原子核の系につき理論的及び数値的に詳細に検討した。その結果、その収束性を定量的に検証し、その依って来る理由を解明した。また、従来の、いわゆる連結核の方法との関連も明らかにし、同時に、CDCCを出発点とする新しい近似法を提唱した。研究のもう一つの柱である組替えチャネル結合法(CRC)に関しても大いに進展があった。まず、三、四核子系の束縛状態について初めてのCRCによる変分計算を行った。波動関数はすべての組替えチャネルの成分を持ち、各成分の動径関数はGauss型のtailをもつ関数系で展開される。その係数を変分パラメタ-として計算をした結果、従来のFaddeev理論による最高の計算と正確に一致する答えを得た。しかも、計算の収束はそれよりはるかに速い。また、四体系の基底状態についても従来の計算と一致する答えを得た。散乱問題に関しては、まず組替え反応に対するDWBAの基礎に関する研究を(d,p)反応を例に取り行った。CRC結果がDWBAによって再現出来るか否かを数値的に検討したが結果は否定的であった。これは、今後の核反応論に重要な研究課題を残すものである。次に、組替えと粒子分解の両方を伴う反応として、中間子触媒核融合反応において決定的な役割を演ずる、(dμ)+t→(tμ)+dの解析を行った。(dtμ)三体系に前述と同様なGauss型試行関数を用いたチャネル結合変分法による計算をおこなった。その結果0.01eV-10eVの入射エネルギ-領域で基底状態間移行反応断面積の実験値をよく再現できた。現在、差分法によるCDCC+CRCの計算を進めている。この方法による一般の核反応の計算に関しても現在計算コ-ドを開発中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Kamimura: "Non-adibatic coupled-rearrangement-channels approach to muonicmoleurles" Phys. Rev.A38. 621-624 (1988)
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[Publications] R.A.D.Piyadasa: "Test of the method of Continuum Piscretized Coupled channel of Deuteron Induced Reactions" Prog.Theor.phys.81. 910-915 (1989)
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[Publications] N.Austern: "Continuum discretized coupled-channels method as a truncation of a connected kernel formulation of three-body problems" Phys.Rev.Letters. 63. 2649-2652 (1989)
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[Publications] H.Kameyama: "Coupled-rearrangement-channel Gaussian-basis variational method for trinmle on bound systems" Phys.Rev.C40. 974-987 (1989)
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[Publications] Y.L.Luo: "Bare potential DWBA in rearrangement reactions" Prog.Theor.Phys.81. 396-417 (1989)
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[Publications] Y.L.Luo: "A semiclasical model for inclusive nucleon inelasti scattering to continuum" Phys.Letters. B235. 211-214 (1990)