1988 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー重イオン衝突におけるクォーク・グルオンプラズマ生成とその検証
Project/Area Number |
62540217
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Research Institution | Matsusho Gakuen Junior College |
Principal Investigator |
住吉 広行 松商学園短期大学, 商学科, 助教授 (70187813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
普喜 満生 松商学園短期大学, 商学科, 講師 (10199177)
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Keywords | ハドロンー原子核衝突 / 高エネルギー重イオン衝突 / 多重鎖模型 / クォーク・グルオンプラズマ / 多重度分布 / カスケード相互作用 |
Research Abstract |
ハドロン・原子核に関する研究では, MultiーChain Modelに基づいてFormation Zoneの概念を取り込んだMonte Carloコードの完成を目標としていた. これは概に完成されその成果はZ.Phys.Cに掲載される予定です. この論文では特に, Cascade相互作用がハドロン・原子核衝突で果たす役割を解明しその重要性を指摘している. 更にこのコードを用いて, ハドロン・原子核衝突の多重度分布を考察した. 実験によって指摘されているKNO scalingの破れについてその起源がどこに存在するのかを探求した. ここでも, Cascade相互作用が決定的な役割を果たしていることをつきとめた. この内容は松商学園短期大学のプレプリントとして'88年3月に刊行され, 現在雑誌に投稿中である. 原子核・原子核衝突の分野では, CERNやBNLの研究所から実験データが続々と報告されている. これらをいかに解釈するか, 或いはこの中にいかなる新しい物理が潜んでいるかを巡ってホットな論争が展開されている. 我々も原子核・原子核衝突のためのMonte Carloコードの細部にわたる検討よりも, 大局的な見地から焦眉の課題を解決するのに何がいま最も重要なポイントとなっているかを点検する必要があると考え直した. そして, 多くの物理学者が最も興味を持ち, 知りたがっていることつまり「重イオン衝突でクォーク・グルオンプラズマが生成されているかどうかをチェックできる観測量を探し出し, どう観測されるのか」を明らかにすることに専念した. 前方に設置されたカウンターに入って来る粒子のエネルギーを基準にして多重度分布をみれば, エネルギーが小さくなるとクォーク・グルオンプラズマが出来たときに限り分布が大きく広がるので識別可能であることが分かった. この内容は研究会や学会では報告され, 現在論文にまとめている. 以上のように当初目標に比べ, 仕事は比較的順調に進んでいると言える.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Iga;R.Hamatsu;S.Yamazaki;H.Sumiyoshi: Z.Phys.CーParticles and Fields. (1988)
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[Publications] Y.Iga;H.Sumiyoshi: Z.Phys.CーParticles and Fields.
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[Publications] 宮村修,住吉広行: 日本物理学会誌. 43. 145-147 (1988)
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[Publications] S.Date;M.Fuki;H.Sumiyoshi;O.Miyamura: Z.Phys.CーParticles and Fields.
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[Publications] M.Fuki: MATSUSHOーTANDAIーRONSO THE JOURNAL OF MATSUSHO GAKUEN JUNIOR COLLEGE. 36. 137-150 (1987)
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[Publications] K.Kanki;F.Takagi;K.Kinoshita;H.Sumiyoshi: Supplement of Prog.Theor.Phys.(1988)
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[Publications] 住吉広行,塚田捷,平田道紘: "物理学最前線18" 共立出版株式会社/南條正男, 224 (1987)