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1987 Fiscal Year Annual Research Report

核磁気共鳴法を用いた準結晶の電子物性の研究

Research Project

Project/Area Number 62540229
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

安岡 弘志  東京大学, 物性研究所, 教授 (50026027)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 西原 弘訓  東京大学, 物性研究所, 助手 (90107441)
Keywords核磁気共鳴 / 準結晶 / 準結晶の帯磁率 / 準結晶の局在磁気モーメント
Research Abstract

本年度は準結晶としてもっとも代表的なAl-Mn系合金をとりあげ, Al核やMn核のNMRの実験を行った. 種々のAl-Mn濃度についてそれぞれの核のNMR観測に成功し, それらの共鳴位置や形からAl(80)-Mn(20)の合金が準結晶としてはほぼ単相であることが分った. この物質について, 特に集中的にNMRによって測定される共鳴線の巾や核磁気緩和時間の温度変化について詳細は実験を行った. その結果, この物質においては, 結晶相がまったく非磁気的であるにもかかわらず, Mnに局在モーメントが発生し, 磁気的になっていることが判明した. この結果は帯磁率の測定からも指示されるが, すべてのMnが磁気モーメントを持っているのではなく, 一部非磁気的なMnも存在することが推察された. そこで第三原素を置換した系での実験をスタートさせ, この準結晶の磁性を明らかにすることを計画した. まずFeを少量Mnとおきかえた試料でメスバウアー効果の実験を行いそのスペクトルの解析よりやはりMnに二種類の磁気状態が存在することが明らかになった. 更にSiをドープレ, より準結晶を安定化させた試料でFeやRu, VのMnに対する置換効果を調べたところFeの場合は磁性が強化されるが, Vの場合は極端に磁性が減少することが分った. このことは準結晶中でのMnの磁気モーメントが周囲の非磁性原子の存在に極めて敏感であることを物語っている. いずれにしても準結晶中で何故Mnに磁性が発生するかは, 準結晶の電子物性の解明する上で重要な手がかりとなるもので, 今後NMRによる微視的な研究を発展させる予定である. 最近我々は新しいタイプの準結晶Al(55)Li(35.8)Cu(9.2)をとりあげている, この物質は平衡相として準結晶が安定であると言われており, 我々のLi核のNMRや帯磁率の予備的な実験結果からは磁性の出現は認められていない. 今後この物質もLi核のNMRを中心として電子物性の明らかにしていく計画である.

  • Research Products

    (3 results)

All Other

All Publications (3 results)

  • [Publications] Hiroshi YASUOKA: J. Phys. Soc. Japan. 55. 1058-1061 (1986)

  • [Publications] Eiichi EDAGAWA: J. Phys. Soc. Japan. 56. 2629-2631 (1987)

  • [Publications] Kaoru KIMURA: International Meeting on Advanced Materials.

URL: 

Published: 1989-03-20   Modified: 2016-04-21  

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