1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540234
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片山 信一 新潟大学, 教養部, 助教授 (30018270)
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Keywords | 半導体格子 / ラマン散乱 / 格子振動 / 光学フォノン / 表面空乏層 |
Research Abstract |
今年度は、次の二点に焦点を絞って研究をすすめ、本研究のまとめを行った。 1.半導体超格子のラマン散乱スペクトルからみた縦光学フォノン。 作年度に引続き、ラマン散乱スペクトルから半導体超格子や極薄膜超格子の縦光学フオノンの振舞いを調べた。半導体超格子の長波長光学フォノンによるラマン散乱理論の構築を行い、実験で得られたスペクトルの解析を試みた。長波長光学フォノンのダイナミックスの記述の中に、格子変位場の空間変化を取り入れるよう分散効果を陽に含めた。誘電的連続体モデルにもとづくので、超格子の各界面で変位に伴う速度と有効圧力が連続であるとする境界条件を課せた。結果を次にまとめると、 (1)解析を行ったGaAs-Al_xGa1-xAs超格子では、上記の変位場の境界条件がうまく働き、各層へのフォノンの閉じ込めとラマン散乱強度の関係を明らかにすることができた。 (2)散乱スペクトルのプロファイルと光学フォノンの減衰が密接に関連する。とくに、AlGaAs層内の混晶化に伴うポテンシャルの揺らぎによる減衰定数の大きな増加を期待できる。 2.半導体表面層に局在する光学フォノンによるラマン散乱。 半導体薄膜内の光学型格子振動を理解する際に重要であると思われる半導体表面層のフォノンと光散乱スペクトルを調べた。厚さが100〓から50〓と変化するP型GaAsの表面空乏層内の縦光学フォノンによる光散乱スペクトルを取り上げた。その結果を次にまとめると (1)今までに解釈が不統一であったP型GaAsの縦光学フォノン振動数付近の鋭いピークと横光学フォノン振動数を中心とした幅の広いバンドが、それぞれ表面空乏層光学フォノンとバルクモードに起因する。 (2)表面層格子振動のサイズ量子化と閉じ込めの可能性を指摘した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shin´ichi,Katayama: J.Phys.Soc.Jpn.,. (1989)
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[Publications] Ryoichi,Fukasawa: J.Phys.Soc.Jpn.,. 57. 3632-3640 (1988)
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[Publications] Sin´ichi,Katayama: Solid State Commun.69. (1989)