1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540241
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
国富 信彦 大阪大学, 理学部, 教授 (40028072)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原崎 修三 大阪大学, 理学部, 助手 (40028262)
角田 頼彦 大阪大学, 理学部, 助手 (70028215)
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Keywords | クロム鉄合金 / クロムルテニウム合金 / スピングラス / SDW超伝導 |
Research Abstract |
・単結晶作製装置の改良 購入した温度制御器を高周波溶解炉に取り付け, 高精度の温度制御が出来るようにすると共に, 試料位置固定連続冷却型の単結晶育成が出来るように装置を改良した. これにより, 大型の単結晶の育成が容易になると共に, 低温では不安定で高温でのみ安定な構造の結晶育成が可能になった. ・Cr合金の単結晶の作製 この装置を用い, 購入した高純度金属素材を使って, これまで, Cr-Fe系及び, Cr-Ru系合金の単結晶を作製した. Cr-Fe系では, Cr濃度の高い合金は, 従来作製が困難とされていたが, この装置では, Cr濃度85%までの合金の2〜3Cwの^3の大な単結晶を作ることが出来た. Cr-Ruも同様にCr86%濃度の合金で1〜2Cw晶^3の単結が得られた. ・中世子散乱実験 62年度中に, 日本原子力研究所及びアメリカ合衆国オークリシジ研究所(ORNL)で中性子散乱の実験を行なうことを予定していたが, ORNLは原子炉の故障で使用できず, 原子炉もオーバーホールの為, 年度内では, わずかに2週間しか実験できなかった. この間に次の二つの研究を行った. 1.Cr-Ruに於ける超伝導とSDWの共存にかんする研究, この系では, Ruの15〜25%濃度でSDWと超伝導が共存する可能性が示唆されている. 我々が行った90%での実験ではSDWを示す磁気反射は, 大きな単結晶試料を用いたにも拘ず, 観測されず, 従来の実験結果の見直しが必要であることが, 判った. 2.Cr-Feに於けるスピングラスの研究 この系では, Fe17%近傍に, 反強磁性→スピングラス, 強磁性→スピングラスのリエントラント転移が見られる. 現在, 反強磁性リエントラント転移を示す試料について測定した磁気散乱ピークの温度依存性のデータを解析中である.
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