1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540247
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
米満 澄 東京都立大学, 理学部, 教授 (10087033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
汐崎 郁代 東京都立大学, 理学部, 助手 (10087166)
坂本 功 東京都立大学, 理学部, 助手 (80094267)
佐藤 英行 東京都立大学, 理学部, 助教授 (80106608)
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Keywords | 点接触スペクトロスコピー / エレクトロンーフォノン相互作用 |
Research Abstract |
点接触スペクトロスコピー装置の製作は, 機械部分の製作と, ニードルとアンビルの距離を制御する電子回路部分の製作にわけられる. 機械部分に就いては当初の差動ネジを利用する代りにパルスモーターを駆動部に直結し, 回転運動を液体ヘリュウム温度の空間に導き, そこで並進運動に変換した. 従来の方式では室温空間で回転運動を並進運動に変換していたが, これでは途中をの連結棒の熱膨張による変化がこの研究が目指す微小な接点を作るためのニードルとアンビルの距離を制御する邪魔になるからである. 現在機械的部分に多少の不ぐあいがあるので, 改良を進めている. ニードルとアンビルの距離は当初の計画では, 静電容量によって測定しながらピエゾ素子にフィードバックをかけることによって制御する予定であったが, 次のような方法に改めた. すなわちきわめて接近させて二本のニードルをとりつけ一方のニードルを探針として利用する. すなわちパルスモーターにパルスを送り, どちらか一方のニードルがアンビルに接触した瞬間を電流の変化で促え, 接触してから1/1000秒以内にパルスをとめる. この操作はすべてコンピューターによって制御する. このような方式に改めたのはそのほうがより簡単だからである. もっとも苦心をしているのは, ピエゾ素子の人手である. 国産のアクチュエーターは, 液体ヘリュウム温度では使い物にならないことがわかった. やむをえずアメリカのControl Technique社のピエゾトランスレーターを購入した. この製品は確かに低温で数μ動くので我々の目的に適うのであるが, 人手に時間がかかり, また層間の絶縁が破れたりした時のアフターサービスに問題がある. 現在国産のバイモルフ型ピエゾ素子で利用できるものがあるかどうか検討しており, もし良品が人手できれば機械部分もそれにあわせて若干の設計変更が必要となる.
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