1988 Fiscal Year Annual Research Report
ネマティック液晶における振動パターンの動的性質に関する研究
Project/Area Number |
62540260
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
槌屋 美實 東京工業大学, 理学部, 助手 (50134812)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川久保 達之 東京工業大学, 理学部, 教授 (10016040)
|
Keywords | 液晶 / ウイリアムズドメイン / ロールパターン / 振動 / カオス / 窓 |
Research Abstract |
負の誘伝異方性をもつネマティック液晶に電圧を加えると、あるしきい値以上で空間的に規則正しい二次元ロール状パターンが観測される。これはウイリアムズドメインと呼ばれ、一方向に配列した液晶構成分子の空間的配向変化を反映した巨視的秩序構造で非平衡系において現れる典型的な散逸構造である。我々は最近この静的パターンがに印加する電圧を大きくしていくとある値以上でウイリアムズドメインのストライプパターンが振動する、空間的にも時間的にもコヒーレンスの高い秩序構造を見出した。この構造には二種類の振動様式があり、それぞれ異なった電圧でcriticalに現れる。ある電圧より最初に現れる振動はウイリアムスドメインのストライプがその中点を中心にして互いに平行に偏角振動(OS1)をする現象であり、さらに電圧を大きくするとストライプが中央で切れて一つ飛越えたストライプと継ぎ合い、再び切れて元のストライプと継がりこれを繰り返す振動である(OS2)。第一の振動は非常に長い周期を持つのに対し、第二の継ぎ変え振動の周期は一桁程度速いパターン振動である。我々はこれらの振動の動的性質を明らかにする目的で実験研究を行った。そしてパターン振動の振幅、周期等の挙動に興味ある結果を得た。これらの振動はhardmode的であること、及びその振幅はしきい値からの距離の1/2ベキ乗で増加することが分かった。又第一の振動は、その乱流化過程において周期倍増化を示し、さらにWindow-likeなものが現れることが分かった。これらの結果は、本研究で初めて見出されたものである。
|
-
[Publications] C.Yang: J.Phys.Soc.Japan. 56. 425-429 (1987)
-
[Publications] Y.Tsuchiya: J.Phys.Soc.Japan. 57. 671-672 (1988)
-
[Publications] Y.Tsuchiya: 57. 691-694 (1988)