1987 Fiscal Year Annual Research Report
第四音波による超流動^3Heの境界条件に関する研究
Project/Area Number |
62540269
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
信貴 豊一郎 大阪市立大学, 理学部, 教授 (80046747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 修六 大阪市立大学, 理学部, 助手 (90184473)
児玉 隆夫 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (90047192)
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Keywords | 第四音波 / 超流動^3He / viscous penefration depth |
Research Abstract |
形状のはっきりしたチャンネル中での第四音波の音速, 共鳴のQ値を測定するため, 次のようなサウンドセルを試作した. 滑らかな表面を有する厚さ150μmおよび75μmの2種類のガラス板を巾5mm, 長さ10mmおよび20mmに切断し, 厚さ7.5μmと25μmの2種類のスペーサーを用い, これらの組み合わせから4つの実験セルを製作した. 音波の発生および検知には, これまで我々の研究室で使用してきたキャパシティブ・トランスデューサーを用い, ヘリウムの4チャンネルに直角に両端に取りつけ, HaIIを用いて動作テストを行った. HeIIではviscous penetrattion depth 8が〜1μm濃度なので第四音波の観測はできないが, 第一音波を観測してその信号の大きさとQ値から音波セルとしての性能を評価することができる. 実験の結果すべてのサウンドセルから第一音波の共鳴を観測することができた. 現在, これらのセルを本来の実験目的である超流動3He中で測定すべく準備を進めている. これと平行してHeII中での予備実験で, 音波の信号強度をさらに大きくすべく, ヘリウムチャンネルの端面処理の改良を試みている. 今回の実験セルでは25〜50個のヘリウムチャンネルが並行して走っているために, そのすべてについて音波がほぼ平等に立つような工夫ができれば最良であり. 実験的にこのことをチェックする方法はないが, 我々は信号の大きさを目安にその作業を進めている. 本研究では採択の決定が約半年遅れたので, 今年度中に実験を完了することができなかったが, 研究は大体予定通り進んでいるので, それ程遠くない将来に超流動3Heでの成果が発表できるものと考えている.
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