1987 Fiscal Year Annual Research Report
VLBIデータの章動・地球潮汐統一解析による流体核-マントル相互作用の研究
Project/Area Number |
62540295
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Research Institution | 緯度観測所 |
Principal Investigator |
真鍋 盛二 緯度観測所, 天文観測研究部, 主任研究官 (30000178)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 忠弘 緯度観測所, 地球物理観測研究部, 主任研究官 (10000176)
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Keywords | 地球回転 / 章動 / 自由コア振動 / 流体核 / VLBI |
Research Abstract |
1.VLBIデータを用いた章動及び地球回転パラメーターの決定 国際電波測量網の大西洋VLBIネットワークによる観測生データを収集し, 章動・極位置・UT1を決定した. その結果, 章動の黄経成分・黄道傾斜角成分ともに米国測地測量局が定期的に発表し自由コア振動の周期の新しい推定及びそれに伴う章動表改訂案の根拠となっている値とは全体の流れには矛盾はないものの振巾にほぼ一定のずれがあることがわかった. また, 極位置についてもずれがあり, しかもこの場合は観測局の組合せによってずれが大きく変化する. これらはデータ解析モデルや統計的手法の違いによって結果が大きく変ることを示しており, 米国とは独立なデータ解析の意義を示すものである. ずれの原因は現在究明中である. 2.太平洋VLBIネットワークによる地球回転運動の観測 日本の鹿島局及び米国の3局から構成される太平洋VLBIネットワークを運用して地球回転運動の観測を行い, その一環として郵政省電波研究所鹿島支所の電波望遠鏡を用いて観測を実施した. このネットワークにより得られたデータを解析し, 章動・極位置・UT1・観測局位置を決定した. 章動は大西洋ネットワークによる値と有意に違い, 大西洋ネットワークだけによって章動を決定することは危険であることがわかった. 両ネットワークによる結果の比較からそれぞれの観測局位置が準拠している座標糸は矛盾しており, 極位置・UT1の不一致は観測局位置の統一により大巾に減少することがわかった. 3.以上により, 現在VLBIから求められている自由コア振動はいまだ十分に信頼できるものではないといえる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Yokoyama: Proceedings of the 4-th Asian-Pacific Regional Meeting of IAU.
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[Publications] T.Yoshino: Proceeding of the 4-th Asian-Pacific Regional Meeting of IAU.
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[Publications] S.Manabe: 1987年度経緯度研究会集録. 46-59 (1988)
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[Publications] T.Yoshino: 1987年度経緯度研究会集録. 60-65 (1988)
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[Publications] K.Tanikawa: ICARUS.
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[Publications] K.Tanikawa: 第21回天体力学研究会集録. 34-45 (1987)