1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540298
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Research Institution | Institute of Geoscience, University of Tsukuba |
Principal Investigator |
安成 哲三 筑波大学, 地球科学系, 講師 (80115956)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 正敏 筑波大学, 地球科学系, 教授 (60015956)
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Keywords | QBO / ENSO / モンスーン / 海水温 |
Research Abstract |
西部熱帯太平洋の海水温、混合層水温には、けん著な2〜3年周期が見られ、この地域の海水温変動の最も卓越する振動モードとなっていることが、まづ明らかにされた。これは、東部太平洋で数年周期のENSOモードが卓越することと、非常に大きな対照をなしている。このQBO的な海水温変動は、特に北半球冬に振巾が大きいことも示された。さらに、この海水温のQBOは、夏のインドモンスーンの変動と密接にリンクしており、インドモンスーンが強い(弱い)夏の後に、秋から冬にかけて、海水温偏差が正(負)となることが明らかとなった。この時差を持った強い相関は、活発(不活発)なインドモンスーンに引き続いて東南アジアから西太平洋域での対流活動が活発(不活発)となること、これに伴って熱帯東西循環が強(弱)められ、下層では西太平洋〜インド洋では西風、東・中部太平洋では東風が強(弱)められることにより海水温偏差が形成されることを示す。人工衛星からのOLR(赤外放射)資料、NMC風資料による解析は、この物理過程を示持している。 さらに、赤道地域の対流圏・成層圏を通じた東西風成分の解析では、対流圏のQBO的変動が、成層圏QBOと無関係ではなく、密接にリンクして変動をしていることが明らかになった。即ち、圏界面へと下方伝揺する東(西)風成分の位相と、やはり対流圏下層から圏界面へと上方伝揺する東(西)風成分の位相が少くとも1964-1982の19年間においては、ずれることなく、圏界面付近で同期していることが明らかとなった。この現象を説明する物理機構は、今のところわかっていないが、これまでの成層圏QBOの機構に関する理論に、一石を投ずるものとして期待される。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 安成哲三: 月刊海洋科学. 20. 616-626 (1988)
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[Publications] Yasunari,T.: Submitted to J.Climate. (1989)
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[Publications] Yasunari,T.: To appear in J.Met.Soc.Japan. (1989)