1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540302
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松野 太郎 東京大学, 理学部, 教授 (40037172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 〓介 東京大学, 理学部, 助手 (20180979)
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Keywords | 大気大循環モデル / 放射 / 対流平衡 / 水循環 / 二酸化炭素増加 |
Research Abstract |
今年度の当初の研究計画は, 現在の大気大循環モデルにおける大気と地表面との相互作用過程を改良し, 地表の植生の効果をとり入れるようにすることを第一としていた. しかしながら, 植生の効果の取り入れ方は大へん難しく, 植物生態学で知られたことを直ちに数値モデル化することは不可能であることがわかった. そこで, 植生を含む地表面過程のモデル化に関して, 最も進んでいると思われるメリーランド大学グループのものを基礎にすることにし, メリーランド大モデルの地表面過程に関する部分のプログラムを入手した. そのプログラムを解読して, 当グループのモデルに導入するための準備を行っている. 植生を含む地表面の大気に与える影響の中で, 重要な点のひとつは地表全体としての水分供給能力が様々に変わり, その結果大気の温度と水蒸気濃度の分布が変わることである. 日射が大気・地表系に入射したとき, 一部は熱として空気を暖め, 一部は蒸発の潜熱として使われ, それが対流雲中で凝結するとき大気を加熱する, という降水を伴う大気特有の放射・対流平衡を, 雲の形成と水循環を陽にとり入れた一次元モデルによって検討した. 出発点として熱帯海洋の条件で計算を行った. その結果, 標準的な日射量に対して, 地表温度は17°C, 雲低下の混合層の温度は約70%, 年間降水量は, 1200-1500mmとなった. 従来の対流調節では温度や水循環についての情報は得られないが, この新しい方法によって大筋を決めることが可能であると判断される. 人間活動に起因する二酸化炭素増加が大気の放射収支を変え, 気候分布を変える可能性がある. 植生の効果を含めた大循環モデルが完成したら, この問題の数値実験にも使いたいので, その準備として, 現在のこの方面の研究結果をサーベイした.
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