1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540303
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
尹 宗煥 東京大学, 理学部, 助手 (80111459)
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Keywords | 潮位差 / 黒潮流量 / 準地衡2層モデル / 相関係数 / 発散ロスビー波 |
Research Abstract |
太平洋上の風のデータを駆動力として準地衡2層モデルによる黒潮の流量の応答実験を行なった. 使用した風のデータは過去23年間(1961〜1983)の轡田(1987)とよる太平洋上のデータである. 準地衡2層モデルでは海底地形の凹凸に対する制限が厳しいので海底地形を現実的にモデルに組み入れることが出来なかった. したがって, 海底地形の影響がきわめて大きいと思われる流量の季節変動については充分な再現は期待出来ないので年々変動に焦点を絞って計算を行なった. 2層間の境界面摩擦としては境界面の変位に反比例する形式を採用したが, これは発散ロスビー波に多大な影響を及ぼし, したがって黒潮の流量の増減に大きな影響を及ぼすことがわかった. 計算によって得られた流量は名瀬・西表間の潮位差との比較がなされた. この2点間の潮位差は黒潮の表面流速と良い相関があるので流量の指標として用いた. 数値積分はまず23年平均の風を吹かせて海が定常状態に達した後月平均値を内挿しながら風を23年間吹かせつづける. 内部ロスビー波が東岸から西岸に到達するまでに約8年程度かかるので流量と潮位差の比較は1971年以降とした. 数年程度の変動にはあまりよい相関は認められなかったが長期的上昇傾向のリニアトレンドは相方に認められ, 相関係数(12ヶ月移動平均を2回かけた後)も0.8を越えることがわかった. 今後は多層位モデルを用いて成層及び海底地形を忠実に再現し, 季節変動についてより詳細な実験を行う予定である.
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