1987 Fiscal Year Annual Research Report
発光プローブ法によるマイクロエマルジョンの動的挙動に対する圧力効果
Project/Area Number |
62540331
|
Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡本 政實 京都工芸繊維大学, 工業短期大学部, 助教授 (90115981)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 富士雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (60109874)
|
Keywords | マイクロエマルジョン / 高圧力 / ピレン / Ru(bpy)2 / 3 |
Research Abstract |
1 次の系を選らびミセルおよびマイクロエマルジョン(ME)の静的および動的挙動を400MPaまでの圧力下で研究した. (1)O/W型ME:ピレンをプローブとして, SDSミセルとSDS/1-ペンタノール(POH)/ドデカン/水系を検討した. 比較のため, SDSミセルとSDS/POH系swollenミセルについても実験した. (2)W/O型ME:Ru(bpy)^<2+>_3をプローブとして, 主にAOT/ヘプタン/水系を検討した. (2)については第56回日化春季年会にて発表予定. 2 (1)高圧下でのマイコン制御発光スペクトル測定装置を製作した. (2)この装置によりSDSミセル, swollenミセルとO/W型ME中のピレン螢光スペクトルを測定し, 微視的極性とその圧力依存性を検討した. その結果, ピレン分子は圧力に関係なくミセル, MEの表面近くに位置すると推定された. 3 動的挙動と会合数(N)は発光減衰の非指数関数解析によった。(1)O/W型ME:0.7MPOHを含むME中のピレンエキシマ-生成過程は約50MPaで極大値をとりその後単調に減少した。同条件のswollenミセルの場合も同様な圧力依存性を示した(極大値200MPa)が、0.25MPOHswollenミセルと通常のSDSミセル中では単調に減少した。これらの結果、Nの圧力依存性と項目2の結果から、極大値は圧力によるMEの形態の変化によるためであると推定した。(2)W/O型ME:Nの値から求めたME水殻の半径は含まれる水の量と共に直線的に増加し、300MPaまで変化しなかった。水殻中で起こる消光過程は10^8M^<-1>S^<-1>程度(バルク水〜3×10^<10>)であり、圧力により顕著に抑制された。水中での消光に対する圧力効果から、MEの水殻と通常の水との比較を行った。W/O型MEの特微的な動的挙動として含まれるイオンが水殻間の衝突によって交換される事が本研究によって明らかになった。この過程は圧力によって顕著に加速され(△V^<【thermodynamics】<-20cm^3>/mole)、水殻のサイズと共に増大する。圧力による媒体の粘度の上昇との関係を考察した。
|