1987 Fiscal Year Annual Research Report
擬縮退電子系を持つ不安定分子および分子集団の量子モンテカルロ計算
Project/Area Number |
62540333
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 兆 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (80029537)
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Keywords | 擬縮退電子系 / 不安定分子 / 量子モンテカルロ計算 |
Research Abstract |
本研究は擬縮重電子系を持つ不安定分子及び分子集団の量子モンテカルロ計算手法を機能材料の分子設計に応用するための基礎研究を行った. 特に高温超伝導酸化物の化学結合の特質をモンテカルロシュミュレーション手法により解明するための基礎データを得るためにab inutio MO計算を行った. まず, 金属酸化物における金属一酸素結合の特性を表現するパラメータ(t,V)を決定するために, M-O-M系の有効交換積分(Jad)をab inutio MO法により決定し, その変化領域を決定した. この結果はJpn,J,Appl,Physに発表した. 次に金属ハロゲン化物等の磁性体と酸化物の電子状態を比較することにより, 磁性と超伝導の関係にいて検討した. そのため, 金属ハロゲン化物のab inutio MO計算を行い, (t,V)領域の相異を明らかにした. この結果もJpn,J,Appl,Physに発表し, 物理方向の研究者に公表した. これらのdataをもとにextended Hubbardモデルにおけるパラメータセットを設定出来た. 次に量子モンテカルロ計算と解析的な解の結果を比較するために, 少数クラスターのハバードモデルの厳密解を求めた. これと種々の解との比較を行った. この点についてもJpn,J,Appl,Physに発表した. さらに, サイト数が11個のクラスターのextendeel Hubbardモデル系の計算を行い, 酸化物超伝導体のキャリアーをになうホールが格子定数の数倍にわたって拡がっていることを明らかにした. これらの結果は超伝導のメカニズムの解明に大変重要であると考えられるので, Jpn,J,Appl,Physに投〓し受理された. 光機能材料の分子設計は今後大変重要となると考えられている. そこで, 特に非線形光学材料に的をしぼって文献調査を実行し, その問題点を明らかにした. この成果は化学誌上に総説として発表した.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Yamaguchi: Jpn.J.Appl. Phys.26. L1362-L1364 (1987)
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[Publications] K.Yamaguchi: Jpn.J.Appl. Phys.26. L2037-L2040 (1987)
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[Publications] K.Yamaguchi: Jpn.J.Appl. Phys.27. in press (1988)
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[Publications] K.Yamaguchi: Jpn.J.Appl. Phys.27. in press (1988)
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[Publications] K.Yamaguchi: Physica. in press (1988)
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[Publications] 山口兆: 化学. 42. 757-761 (1987)