1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540350
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 重樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (20113425)
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Keywords | 反応座標 / 溶液反応 / 光化学過程 |
Research Abstract |
化学反応の多くは溶液内で起こるが, 溶液内反応の機構を取り扱う際に反応分子と溶媒分子の相互作用を考慮に入れた新しい取り扱いが必要となる. 従来の溶液内反応の取り扱いは溶質・溶媒分子の相互作用の複雑さにもより極めて理想化されたモデルに基づくものが大部分であった. 本研究では具体的な多原子分子の溶液内反応を取り扱うため従来気相の反応の記述に用いられてきた反応座標モデルを溶液内反応に拡張することを目的とする. 本研究では先づ実験との比較ができる溶液内での代表的な光化学過程を取り上げ分子軌道法を用いて反応分子のポテンシャル面及び反応分子・溶媒分子の相互作用ポテンシャルの計算をおこなった. 具体的な系としてはNorrishIIジラジカルの緩和過程とジメチルアミノベンゾニトリル(DMABN)の励起状態での電荷移動過程を取り上げた. 前者ではブタナールより生成されるジラジカルの三重項と一重項状態の構造とエネルギーを計算し, それを解析関数に表わすことにより反応座標ハミルトニアンを作った. また, 三重項から一重項への非断熱遷移を起こすスピン・軌道相互作用, ハイパーファイン相互作用について検討し, 核配置, 溶媒の極性に対して全く逆のふる舞いをすることがわかった. 現在, 以上の電子状態計算に基づき動力学の理論モデルを作ることに取りかかっている. また, 後者については励起状態のポテンシャル面を計算するため新しいCI法のプログラムを作成し, 先づ溶媒のない孤立系についてポテンシャル面の計算をおこなった. 電子相関を考慮に入れるとππ*状態と電荷移動状態のエネルギー関係がよく再現されることがわかった. 現在, 孤立分子の電子状態についての情報を基に溶媒分子との相互作用ポテンシャルの決定をおこなっている. 実にモンテカルロ法を用いて反応座標パラメータを計算することを準備している.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 加藤重樹: J. Chem. Phys.
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[Publications] 天辰 禎晃: J. Chem. Phys.
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[Publications] 加藤重樹: J. Chem. Phys.