1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540381
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小田 雅司 大阪大学, 理学部, 教授 (60004438)
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Keywords | ジアンゾジケトン / 遷移金属触媒 / シクロペンタノイド / メタル化-官能化 / キノジメタン型色素 |
Research Abstract |
標記課題のもとに主として以下の2つの方法について研究した. 1.ジアゾジケトンの遷移金属錯体を用いる分解反応によるインダンジオン誘導体の合成-インダンジオン誘導体は殺鼠剤として用いられるものもあるなど特異な生理活性を有するのみならず, 機能性分子の構築にも有用と期待される. 本研究では, 2-ジアゾインダンジオン(1)を酢酸ロジウムを触媒として, 芳香族化合物の存在下分触させると一段階で2-アリールインダンジオン類(2)が好収率で得られることを見い出した. この反応は他の環状2-ジアゾーノ, 3-ジオン類にも適用でき, さらにこの反応を応用して, 興味ある物性を示すキノジメタン型色素(例えば3)類の初めての合成に成功した. 2.ジシクロペンタジエンのメタル化を経る簡単な官能化-ジシクロベンタジエン(4)は合成中間体として非常に有用なシクロペタンジエンの前駆体であるが, その官能化は良い方法でなく, 従って既知の誘導体も数少ない. 本研究では, 4に協力な塩基であるt-Buok BuLi錯体を作用させるとノルボルネン部の二重結合が選択的にメタル化され, 次いで求電子試剤と反応させることにより, 広汎な4の誘導体(5)が合成できる事を明らかにした. 4のこの容易な官能化法の開発は, 種々の新しいシクロペンタノイドの合成に有用と考えられ, 既に一部良い結果も得られている. 他に, 物性的に興味あるものとして, 金属原子を置換基としてもつフルベルン類(6)の合成に着手し一部を達成した.
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[Publications] Mitsuo Toda;Makiko Hattori;Keiji Okada;Masaji Oda: Chemistry Letters. 1263-1266 (1987)
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[Publications] Michihiro Aga;Keiji Okada;Masaji Oda: To be submitted to Angewandte Chemie.
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[Publications] Michihiro Aga;Keiji Okada;Masaji Oda: Angewandte Chemie.