1987 Fiscal Year Annual Research Report
1, 2, 3-トリオール類からフルオロメチルケトンの選択合成と生物活性分子設計への展開
Project/Area Number |
62540398
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉岡 博輔 理研, 制御分子設計研究室, 主任研究員 (50174892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 悠子 理研, 制御分子設計研究室, 研究員
清水 真 理研, 制御分子設計研究室, 研究員 (30162712)
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Keywords | 1, 2, 3-トリオール / フルオロオレフィン化 / 求核フッ素化 / フルオロメチルビールエーテル / fluorobotriodiplodin / α-ブロモベンシルフルオロメチルケトン |
Research Abstract |
本研究は, 従来困難であった置換フルオロメチルケトン類の合成をめざして, 多様性に富む1, 2, 3-トリオール類から高選択性の求核フッ素化とエノールエーテルおける転移反応でCC結合形成を一挙に行う効率的な新合成法を開発し, 新生理活性物質の分子設計展開を行なうもので, 下記の成果を得た. 1.多様な1, 2, 3-トリオール類からベンズアルデヒドの1, 3-アセタールー2-スルフォネイトをへて, 1, 3-ビス(シロキン)-2-アルキル, アリール及びアリルエーテルに選択的・高収率で誘導する方法を見出した. 2.広範なグリコール酸エステルのエーテルから任意のアルデヒドとの縮合とエステル基の還元を経て, 1.3-ビス(シロキン)-2-エーテルを高収率で合成し, その各2, 3位の立体異性体を環状アセタールを経て効率よく分離できた. 3.上記のシロキシエーテル類にフッ化テトラアルキルアンモニウム・フッ化アルキルスルフォニルを作用させフルオロオレフィン化反応を行い, フルオロメチルケトンのエノールエーテル類を立体選択的に高収率で得た. 4.1, 3-ビス(シロキン, 又はスルフォニルオキシ)-2-アリルエーテルにフルオロオレフィン化とクライゼン転位を一挙に行って, 多様な1-フルオロー3-(転位アルキル)アルカー2-オンを高収率で合成した. 更にエノールエーテルの立体異性体から置換フルオロオメチルケトンの立体選択的合成を達成した. 5.上記の新手法を活用して, 抗生物質botriodiplodinのメチルケトン基のモノフルオロ体(fluorobotriodiplodin)を7行程で立体選択的に合成できた. 6.フルオロメチルビニールエーテルの段階で, NBSによるプロム化を行いα-ブロモベンジルフルオロメチルケトン類をよい収率で得た. これにNヘテロ環チオールのNa塩を反応させてα位のNヘテロ環チオ化されたフルオロメチルケトン類が多様に合成され, その中に抗菌活性を有するものが見出された.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Makoto Shimizu: J. Chem. Soc. Chem. Commun.,. 136-137 (1987)
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[Publications] Makoto Shimizu: J. Chem. Soc. Chem. Commun.689-690 (1987)
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[Publications] Makoto Shimizu: Tetrahedron Lett.28. 1677-1680 (1987)
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[Publications] Yuko Nakahara: Tetrahedron Lett.(1988)
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[Publications] Makoto Shimizu: Heterocycles. (1988)
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[Publications] 吉岡 宏輔: "含フッ素農薬-最近の研究開発動向と新しい分子設計(フッ素化合物の合成と機能)" 監修/石川延男/シーエムシー, 339(320-339) (1987)