1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540411
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
香月 〓 九州大学, 理学部, 助手 (40037271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 勝 九州大学, 理学部, 教授 (60037140)
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Keywords | 脱保護基反応 / t-ブチルジメチルシリル基 / t-ブチルヒドロペルオキシド / TBHP / MoO_2(acac)_2 |
Research Abstract |
水酸基の保護に広く利用されているt-ブチルジメチルシリル(TBDMS)基のより温和な脱保護法の開発は, その有用性をさらに高めるものと思われる. 今回, 中性で且つ温和な求核性をもつヒドロペルオキシドに着目して, 各種ルイス酸との組合せによるシリルエーテルの切断を検討した. 先ず, t-ブチルヒドロペルオキシド(TBHP)を用いてTBDMSエーテル(1)__〜の切断の際の金属触媒の効果を検討したところ, Lewis酸触媒として通常よく用いられるMgBr_2, EtAlC1_2, ZnCl_2などは殆んど効果がなくMoO_2(acac)_2を用いた時にのみ反応が進行することを見出した. しかし, 生成するアルコールが2__〜のように第1アルコールの場合, この反応条件下では部分的にアセチル化されることが観測された. しかし, 求核剤としてTBHPのかわりにメタノールを用いると収率よくアルコールを得ることができる. 一方3__〜のような第2アルコールのTBDMSエーテルでは, TBHP-MoO_2(acac)_2の反応系を用いることにより収率よくアルコールを得ることができる. 4__〜のような立体障害のあるシリルエーテルでも反応は円滑に進行する. 以上のように, 弱い求核剤(TBHP)と弱いLewis酸触媒(MoO_2(acac)_2)を組み合わせることによりTBDMS基の効果的な脱保護法を開発することができた.
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Research Products
(1 results)