1987 Fiscal Year Annual Research Report
特異構造アミノ酸を含む植物毒環状ペプチドの合成と構造機能相関
Project/Area Number |
62540412
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇 道典 九州大学, 理学部, 助手 (30037212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 東彦 九州大学, 理学部, 助手 (80037267)
加藤 哲夫 九州大学, 理学部, 教授 (20037188)
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Keywords | 環状ペプチド / 特異構造アミノ酸 / ペプチド合成 / コンホメーション / 植物毒 |
Research Abstract |
特異構造を持つアミノ酸, Aoe(2-amino-8-oxo-9.10-epoxydecanoic acid), 残基を含む生理活性環状ペプチドが, 最近次々と天然に見い出されているが, その立体選択的合成が困難なため, これら環状ペプチドの合成的研究例は少ない. 本研究では, このAoe含有環状ペプチドの代表として植物毒環状テトラペプチドのCyl-1(1__〜)を選び, その立体選択的合成ルートの確立と天然1__〜の合成的構造確認を目指した. さらにその基礎研究として, アシラーゼによる光学活性アミノ酸の調製法, および構造機能相関研究の基礎として環状テトラペプチドのコンホメーションについて検討した. 1.光学活性アミノ酸調製法: 一連のアシルーL-Pheを用い, 糸状菌および豚腎臓アシラーゼによる酵素分解速度を比較したところ, 糸状菌アシラーゼに対してはホルミル体が従来汎用されているアセチル体より約4倍も分解され易いこと, 腎アシラーゼに対しては, ブチリル体が最も有効であることを明らかにした. 2.環状テトラペプチドのコンホメーション: すでに, 1__〜のAoeをL-Leuに置換したアナローグのコンホメーション解析により, そのアナローグがユニークなトランスートランスーシスートランス構造をとることを報告した. さらに一般的に, 環状テトラペプチドのコンホメーションが, その一次構造と密接に関連し, その相関関係を示す経験則を明らかにしえた. 3.Aoe前駆体アミノ酸誘導体の合成: C^2不斉源として, Boc-L-Asp-OBu^tを利用, DCCによりジメチルピラゾール体に変換, LiAlH_4還元によりアルデヒド体とし, 〔Ph3P^^+(CH_2)_4-OH〕Br^+とのWittig反応, 接触還元によりBoc-L-Aho-OBu^t(Aho, 2-amino-8-hydroxy octanoic acid)を得た. 4.Aho含有1__〜環状前駆体の合成: 上記Aho誘導体より調製したH-L-Aho(B_2l)-OB_2lを出発原料として, すでに調製ずみのBoc-L-lle-L-Pyo-OH,Boc-O-Tyv(Me)-OHを逐次カップリングして鎖状テトラペプチド誘導体とした. 現在その環状化を実施中で, 完成(香月-Sharpless不斉酸化等)がまたれる.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T. Kato(加藤哲夫): Int. J. Peptide Protein Res. 29. 53-61 (1987)
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[Publications] S. Kang(姜信源): Mem. Fac. Sci., Kyushu Univ., Ser. C,. 16. 61-68 (1987)
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[Publications] T. Kato(加藤珠樹): Peptide Chemistry 1987. (1988)
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[Publications] S. Kang(姜信源): Bull. Chem. Soc. Japan. 61. 575-576 (1988)