1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540413
|
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
勝村 成雄 大阪市立大学, 理学部, 講師 (70047364)
|
Keywords | ホルスコリンの合成 / クロトマクリンの合成 / 生理活性ラブダン型ジテルペン / メチルスルホレン / ジエン等価体 / 鉄カルボニル / ジエンの保護 / 効率的合成 |
Research Abstract |
高度に酸化されたラブダン型ジテルペン, ホルスコリンは, 細胞膜のアヂニレートサイクラーゼを活性化する極めてめずらしいテルペノイドであり, 緑内障に対して有効であると言われている. 同様な構造を持つものとしてマクロトマクリン及びホストロイヌリンが知られており, 特に, クロトマクリンは昆虫のプロスタグランジン合成阻害作用を示すと言われている. 本研究ではクロトマクリンのB環に存在する6つの不斉炭素を立体化学を制御しながら形成し, 簡便な側鎖の導入と併せて効率よく合成することを今年度の目的とした. さらにこの研究で得られる知見をもとにオールスコリンの合成を行なうことを目的としている. 既に大量合成法が確立している二環性のジェノン1__〜を原料として用いた. メチルスルホレンにこのものを位置選択的に反応させた後熱分解し, 側鎖のジエン部の効率よい導入を行い2__〜を得た. 継いで2__〜に於けるB環の二重結合のみと選択的に酸化するため, 側鎖のジェン部を鉄カルボニルで保護した後, B環に2つの水酸基を立体選択的に導入してジオール3__〜を収率よく得た. 3__〜から鉄カルボニル基を除去し, 続くメチル化により効率よく立体選択的にトリオール4__〜を得た. このものをスワーン酸化し二種類のモノケトン体を得た. これらはさらに酸化するとジケトン等価体を与えた. 目下, 得られたケトン誘導体からクロトマクソンの合成を検討している.
|