1988 Fiscal Year Annual Research Report
生物集団の構造形成とその組織特異性に関する数理的研究
Project/Area Number |
62540496
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
重定 南奈子 京都大学, 理学部, 助手 (70025443)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東 正彦 竜谷大学, 経営学部, 講師 (40183917)
小渕 洋一 京都大学, 理学部, 助手 (60025450)
|
Keywords | 食物連鎖網 / 協同進化 / 捕食 / 競争系 / 細胞性粘菌 / パターン形成 / 連銭パターン |
Research Abstract |
様々なレべルの生態的システムを生物集団という一定の枠組の中でとらえ、その構成要素間に働く相互作用が構造形成にどのような影響を及ぼすかという側面に焦点を当て研究を進めた。特に組織化にともない生じる系の構造形成の動的過程について、以下の系でその特性を明らかにした。 1.食物網、特に栄養動態論に関して、生産者と分解者を大きく結ぶ循環系に食物連鎖を組み合わせた系としてとらえ、力学系を定式化した。この生態系ネットワークにおいて、染養系あるいはエネルギーの流れを制御する因子に注目し、それらの協同進化について解析し、生態系の組織化のプロセスを解明した(東)。 2.生物群集レべルの組織化を解析するために、互いに相互作用している多数の種からなる率のダイナミカルモデルを定式化し、それを解くことに成功した。これによって、種間に働く競争、並びに被食・捕食の相互作用が系の構造形成に直接・間接に及ぼす影響について、構成種の特性と結びつけて説明できるようになった(重定)。 3.細胞レべルでは、細胞集合体の形態形成が細胞の種類による差次的運動によって説明できる局面を捉え、具体的に細胞性粘菌の場合について、集合期から移動体期にかけての組織過程について解明を行った(小渕)。
|
Research Products
(11 results)
-
[Publications] Shigesada,N.: Proceedings of the Autumn Course Seminors on Mathematical Ecology. 659-681 (1988)
-
[Publications] Kawasaki,K.: in"Theoretical Studies of Ecosystems:the Network Perspective". (1989)
-
[Publications] Shigesada,N.: RIMS Report,Kyoto University. 678. 109-119 (1989)
-
[Publications] Kobuchi,Y.: J.theor.Biol.130. 129-145 (1988)
-
[Publications] Sekimura,T.: Sci.Form. 3. 67-72 (1988)
-
[Publications] Kobuchi,Y.: RIMS Report,Kyoto Univ.678. 85-100 (1989)
-
[Publications] Patten,B.C.: Freshwater Wetlands and Wildlife(USDOE COF-8603101). (1989)
-
[Publications] Patten,B.C.: Ecological Modelling. (1989)
-
[Publications] 東正彦: 個体群生態学会会誌. (1989)
-
[Publications] Shigesada,N.: "in"Topics in Applied Mathematics"Spatial Distributions of Dispersing Animals:Effects of Population Pressure and Environmental Heterogeneity" Manchester University Press,
-
[Publications] Higashi,M.(ed.): "Theoretical Studies of Ecosystems:The Network Perspective" Cambridge University Press, (1989)