1987 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体チラコイド膜のprolyl endopeptidaseの研究
Project/Area Number |
62540515
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
桑原 朋彦 東邦大学, 理学部, 講師 (80153435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田巻 誠 東邦大学, 理学部, 講師 (00104141)
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Keywords | タンパク質分解酵素 / チラコイド膜 / 光化学系II粒子 / 葉緑体 |
Research Abstract |
今年度の研究から得られた新たな知見および成果: 1.光化学系II粒子から得られる1M塩化ナトリウム抽出液を, DEAE-セファロースCL-6Bを用いた陰イオン交換クロマトグラフィーにかけて, 塩化ナトリウムの直線濃度勾配で溶出することにより2種類のタンパク質分解酵素を分離した. (約0.3Mおよび0.6M塩化ナトリウム画分), 2.0.6M塩化ナトリウムの画分は258nmに吸収ピークを示すことから核酸が混在しているものと思われるが, 少なくともその一部は, 制限酵素EcoRIの反応を受けることから, DNAであると考えられる. 3.核酸の存在はタンパク質精製の操作の面においても酵素反応の検出の面においても障害物となっていたが, 最近になって, 粗抽出液をブチルートヨパールを用いた疏水性クロマトグラフィーにかけるとタンパク分解酵素活性を損ねることなく核酸を除去できることが分かった. 今後の計画 :1.62年度の研究成果より疏水性クロマトグラフィー, 陰イオン交換クロマトグラフィー, ゲルろ過クロマトグラフィーを組み合わせた形で精製法を確立できるものと思われるので, これを行う. 2.迅速かつ定量的な検出を行うため, 適当な人工基質を検索し, これを用いてタンパク質分解酵素の標準反応系を作る(現在, タンパク質分解酵素の検出には18-KDaタンパク質を基質とした反応を行った後SDS電気泳動を行ってその分解を見ているが, 所要時間が長くまた反応産物の定量が難しいため改善を必要とするものと思われる).
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