1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540537
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Research Institution | Faculty of Medicine, University of Tokyo |
Principal Investigator |
塩田 正樹 東京大学, 医学部, 助手 (80134526)
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Keywords | DNA複製速度 / DNA複製装置 / ウニ胚 / 発生 / 微小管会合蛋白質 / 核マトリックス |
Research Abstract |
DNA複製装置(DNA複製複合体)の観点よりDNA複製速度の調節についてウニ胚及び他の細胞増殖系(同調増殖時の細胞性粘菌、哺乳動物細胞等)を用いて比較検討した。その結果、(1)ホルモン依存性の哺乳動物細胞増殖系ではDNA複製速度はホルモンによって誘導されるDNA複製酵素(装置)の数に関係するが、その数のみによってDNA複製速度が調節されているのではないこと、(2)細胞性粘菌の細胞周期でのDNA複製では核マトリックス上のDNA複製装置の一定数以上の存在とこの装置を"始動"にする因子によりDNA複製速度が調節されていること等を解明した。さらに、(3)DNA複製装置を"始動"にする因子としてDNA合成期に細胞質から核へ移動する微小管会合蛋白質(MAP2)がDNA複製速度の調節に関与していることを解明した。以上の結果をもとにウニ胚でのDNA複製速度の発生レベルでの調節を検討した結果、ウニ胚でも細胞内に存在するDNA複製装置の数とその複製装置を"始動"にする因子がDNA複製速度の調節に関与していることを明らかにした。ウニ胚より単離した核(DNA複製装置を含む)でのDNA合成を先述の微小管会合蛋白質は促進し、促進のメカニズムは粘菌細胞の場合と同じ(DNAの基質であるデオキシボヌクレオチドのDNA複製装置への親和性を高めると同時にDNA合成速度を高める)であった。このことより微小管会合蛋白質がウニ胚でもDNA複製の調節に関与していることが示唆された。また、DNA複製装置に結合している微小管会合蛋白質の数は発生初期で多く発生後期で減少することを明らかにした。これらの結果より微小管会合蛋白質のDNA複製装置へ結合する数によってウニ胚のDNA複製速度の発生レベルでの調節が行われていることが解明された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Shioda: Comparative Biochemistry and Physiology. 91B. 525-530 (1988)
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[Publications] M.Shioda: American Journal of Obstetrics and Gynecology. 159. 880-881 (1988)
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[Publications] M.Shioda: Life Science Advances(Mollecular ans Cell Biology). 7. 101-106 (1988)
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[Publications] M.Shioda: Biochemistry International.
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[Publications] M.Shioda: Biochemical and Biophysical Research Communication.
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[Publications] M.Shioda: Biochemica et Biophysica Acta.
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[Publications] S.Usuki: "Placental and Endometrial Proteins" VNU Science,