1988 Fiscal Year Annual Research Report
変態時の特定タンパク合成に対するエクジソンとJHの作用
Project/Area Number |
62540541
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Research Institution | Kanazawa University, Faculty of Science |
Principal Investigator |
大滝 哲也 金沢大学, 理学部, 教授 (90110600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 勝 金沢大学, 理学部, 助教授 (80143874)
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Keywords | エクジソン / エクジソン結合タンパク / レクチン様タンパク / 変態 / カイコ / ニクバエ / 幼若ホルモン / JH |
Research Abstract |
カイコのレクチン様タンパクの精製とその特性解析については、電気泳動で分離したバンドから得た少量の、しかしかなり純粋なタンパクを抗元として抗体を作り、その血球凝集作用の阻害効果から、レクチン様タンパクの分子量は、350KD、88KDと90KDのペプチド2個ずつからなる4量体と考えられる。エクジソンのタイターの上昇にともなって体液中に増加し、JHとは直接関係はない。この血球凝集作用は、糖によって阻害されるがグルクロン酸がもっとも作用が強く、次いでガラクツーロン酸、マンノース、ブドウ糖、果糖の順に弱くなる。このタンパクの特性をさらに追求するため、現在モノクロナール抗体を作っている。すでに50以上の強く血球凝集阻害を示す抗体をつくるバイブリドーマを得ており、それを用いて、体液中からアフィニティークロアトで、このタンパクを多量に分離することともに、細胞内の所在、遺伝子解析に用いる予定である。 エクジソン結合タンパクについては、結合能の高いポナステロンAの放射活性ラベルのものが必須であるので、20-ヒドロキシエクジソンより、スタキステロンCを合成、NEN社にトリチウム還元を依頼、現在還元物より、放射比活性の高いポナステロンを精製、エクジソン結合タンパクの特性を解析中である。このタンパクの遺伝子を解析するため、ステロイドホルモン受容体タンパクの共同のDNA接着ドメインのCDNA断片をつくり、これをプローブとして、遺伝子の分離を計画し、すでに、CDNA、およびカイコの遺伝子ライブラリーを作っている。 このほか、ニクバエの休眠蛹と非休眠蛹を誘導する光周条件で飼育すた幼虫のエ クジソンタンターの変動と成虫原基の分化を調べた。また、カイコ体液中のJHのタ イターを正確に測定するラジオノムノアッセイの方法を確立した。
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[Publications] Moribayashi,A.;Kurahashi,H.;Ohtaki,T.: Comparative Biochemnistry and Physioloqy. 91A. 157-164 (1988)
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[Publications] Nariki,M.;Kimure,M.;Ohtaki,T.: Invertebrate and Fish Tissue Culture. 35-38 (1988)
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[Publications] Sakurai,S.;Imokawa,H.: Archives of Insect Biochemistry and Physioloqy. 8. 219-228 (1988)
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[Publications] Kimure,M.;Sakurai,S.;Nakamachi,T.;Nariki,M.;Niimi,S.;Ohtaki,T.;Fujimoto,Y.;Hata,F.;Ikekawa,N.: Zooloqical Science. 6. 121-127 (1989)
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[Publications] Kurahashi,H.;Ohtaki,T.: Physiological Entomology. 14. (1989)
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[Publications] Sakurai,S.;Okuda,M.;Ohtaki,T.: Geneal and Comparative Endocrinology. (1989)