1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540548
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
天野 實 広島大学, 総合科学部, 教授 (00076986)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 明 広島大学, 総合科学部, 助手 (50112157)
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Keywords | キメラカエル / 3倍対 / 卵母細胞 / 生殖腺 / 卵母細胞発育不良 |
Research Abstract |
アフリカツメガエルの受精卵を低温処理することにより作製した3倍体では殆どの個体が卵巣様の生殖腺をもっている. しかし3倍体個体では肥大卵母細胞が成育しない. かゝる3倍体での卵母細胞発育不良の原因解明のために尾芽胚の時期に生殖細胞を含む頭部と生殖堤を含む尾部との2倍体雌と3倍体とのキメラ個体を作製することを目標に今年度は正常2倍体の胚を用いてキメラ個体の作製を行った. 1.発生過程での生殖細胞の同定, 確認, 分布の状態を決めるために, 発生段階の各時期の胚を固定, 染色しアフリカツメガエルの始原生殖細胞を確認する方法を確立した. ブアン, カルノワ固定後パラフィン切片作製, マイヤーのヘマトキシリン, アザン, PAS染色による組織学的検索により可能であった. 2.正常状態で受精した卵からは2倍体の雌雄がほヾ同数個体発生してくるが発生初期にエストロゲン処理をすることにより全べての個体を得る條件を確立するための実験を行った. 此の点に関しては満足し得る條件設定は出来なかった. 3.先づ正常2倍体間でのキメラ幼生の作製のために必要な種々の段階の條件確立を行った. 胚の減菌消毒の方法, 尾芽期以後の胚はすでに運動性を獲得しているので胚を麻酔する條件, 胚の前頭部, 後尾部を切断, 接着のための床作り等である. かゝる実験探査は修得出来たものの, 細菌による長期間発育の阻害を克服することが重要な課題として残された. 正常な受精卵を得る以前からの減菌操作に工夫が必要であると考えられる.
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[Publications] A. Kawahara: Denelopmental Biology. 122. 139-145 (1987)
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[Publications] A. Kawahara: The 15th Ntional Institute of Basic Biology Couference.15. 7 (1987)
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[Publications] M. Amano: Zoological Science.2. 908 (1985)