1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540549
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
宗岡 洋二郎 広島大学, 総合科学部, 教授 (40031330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 惇 広島大学, 総合科学部, 教授 (50033981)
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Keywords | 軟体動物 / ムラサキイガイコナガニシ / 足糸前牽引筋 / 神経節 / 神経ペプチド |
Research Abstract |
1.62年度に同定した3種の新ペプチド(CARP,Ser^2-MIP,Ala^2-MIP)について、軟体動物を中心に種々の筋における作用を調べた。CARPは軟体動物の種々の筋において抑制作用を示す他に、ユムシ、環形動物、昆虫、哺乳類の筋においても抑制性あるいは収縮増強性の作用を示し、このペプチドの同族体は、軟体動物のみならず、他の動物にも広く分布している可能性が考えられた。一方、MIPsは軟体動物の種々の筋において抑制作用を示したが、調べたかぎりにおいては、他の動物の筋では活性がみられなかった。MIPの同族体は軟体動物では広く分布している可能性が大きいが、他の動物門にまで分布しているかどうかはわからない。 2.ムラサキイガイの足糸前牽引筋を大量に分離し、その中に含まれる生理活性ペプチドの探索を試みた。得られた結果と本筋に対する上記3種のペプチドの活性の性質から、本筋において、CARPとMIPsが生理的物質として筋活動制御に関与していることを強く示唆する結果を得た。また、コナガニシ神経節に含まれる生理活性ペプチドの探索も試み、本動物がCARP様ペプチドを持つことを強く示唆する結果を得た。くわえて、イガイ筋にも、コナガニシ神経節にも、未知の生理活性ペプチドがそれぞれ数種存在することを示唆する結果を得た。 3.CARPとMIPの抗体および抗体を利用した親和クロマトグラフィーカラムを作り、これを用いて、軟体動物のみならず、他の動物におけるCARPとMIPの同族体を探索中である。さらにFMRFamide抗体を用いた親和クロマトグラフィーカラムを作り、このペプチドの同族体も探索中である。 4.発見した3種のペプチドやその抗体は、国内外の多くの研究者に利用されており、その同族体はすくなくとも軟体動物では広く分布しており、末梢や中枢で重要伝達物質として働いていることが示唆されている。
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[Publications] Tatsumi Hirata.: Brain Res.422. 374-376 (1987)
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[Publications] Tatsumi Hirata.: Biochem.Biophys.Res.Commun.152. 1374-1382 (1988)
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[Publications] Tatsumi Hirata.: Comp.Biochem.Physiol.C. (1989)
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[Publications] Tatsumi Hirata.: Comp.Biochem.Physiol.C. (1989)
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[Publications] Makoto Kobayashi.: Biol.Bull.(1989)
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[Publications] Tomoko Kanda.: Hiroshima J.Med.Sci.
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[Publications] Yojiro Muneoka.: "The regulation and pharmacology of Muscles in Mytilus.In "Neurobiology of Mytilus edulis"" Manchester University Press,