1987 Fiscal Year Annual Research Report
両生類胚の外胚葉細胞の分化時における細胞間相互作用
Project/Area Number |
62540553
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
伊東 鎮雄 熊本大学, 理学部, 教授 (60040086)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 栄治 熊本大学, 理学部, 助手 (20128276)
|
Keywords | イモリ胚 / 表皮活動電位 / 電気的結合 / 組織間移植 |
Research Abstract |
表皮細胞間伝達阻害 イモリ胚の表皮活動電位の伝達が如何なる機構に起因するのかを調べることを目的として, イモリ胚体表の2個の細胞に微小電極を各々刺入して, 活動電位伝達がどの様な薬物で遮断するか調べた. 興奮性を低下させないで電気的結合を遮断する試薬として用いられた炭酸によって化学的伝達の可能性を報告したが(Sato & Ito, 1983), これ以外に目下, 適するものはみられない. 例えば, 桑実胚白色大割球細胞間の電気的結合を可逆的に遮断する2-オクタノール(1または5mM), パラ安息香酸メチル, パラ安息香酸エチル(3mM)は表皮活動電位の興奮性を低下させると同時に電気的結合が遮断されるので用いられない. 今後新しい阻害剤を見い出して, 伝達機構を明らかにしたい. 発生段階の異なった組織間移植 St.26/28イモリ胚の表皮(活動電位発生能力をもつ)の一部を除去して, St.11の予定表皮外胚葉を移植して1日おく. 宿主はSt.31, 移植片はSt.14/15になる. 移植片細胞自身は電気刺激で活動電位を発生しないにもかかわらず, St.31の宿主細胞の電気刺激によって生じた活動電位は宿主細胞を伝達して, 移植片の部位で活動電位を誘起させる. この活動電位の大きさ, 立上がり波形は宿主組織の境界を遠ざかるにつれて減衰するが, これは電気的緊張電位のひろがりと同意のものと解される.
|