1987 Fiscal Year Annual Research Report
予定外胚葉細胞に対する中胚葉性誘導物質の作用と遺伝子発現
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62540555
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
浅島 誠 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (00090564)
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Keywords | 中胚葉誘導 / 文化誘導物質 / 筋肉 / 両生類胚 / ミオシン / トロポミオシン / 免疫蛍光抗体法 / イムノブロッテング |
Research Abstract |
フナのウキブクロから8M尿素, アフィ・ニティ・クロマト, 等電点法, ゲルクロマト法などによって中胚葉性分化誘導物質(G1およびG4物質)を多くあつめた. 集められた分化誘導物質中にはDNA, タンパク質が含まれていることがヘキストによるDNA定量法, ローリー法により行なわれた. DNAは200lase pairの大きさであった. これらの精製された物質を未分化細胞群であるイモリの初期原腸胚の予定外胚葉にサンドウイッチ法で与えて外植体をつくった. これらの外植体に培養後, 経時的に0, 3, 7, 10, 14日後にそれぞれ取り出して, 各々について二次元電気泳動を行った. 培養の日数に比例して, より多くのタンパク質のスポットが検出された. これらのスポットの中で中胚葉の分化と結びついている筋肉に関連したタンパク質について免疫螢光抗体法がなされた, ミオシンおよびトロポミオシンを用いた螢光抗体は培養後, 7日目で徐々に光り出し, 10日目で明確な螢光をもってきた. この螢光抗体は組織切片を作成した時, 組織分化の程度を非常によく一致して光って見えた. 同様にミオシンとトロポミオシンなどの螢光抗体法を用いてイムノブロット法を行なったところ, 免疫組織学的な結果と非常によく一致していることがわかった. ただトロポミオシンについては沢山のアイソマーのスポットが見られた. 現在までにトロポミオシンについては, いくつかのアイソマーが報告されているので, イモリ胚にも同様のアイソマーの存在が示唆されたと考えられる. いずれの場合(ミオシンとトロポミオシン)も, ミオシンの出現時期とトロポミオシンの出現時間とは一致しており, 培養後, 10日目から明確なバンドまたはスポットとして現われる. その量は培養日数が増すにつれて増加していくことが明らかとなった. 中胚葉性分化誘導物質が単に形態的な組織分化をひきおこすだけでなく, 筋肉関連タンパク質もセットで分化してくることが判明.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Shimada, K. ;H. Koyama and M. Asashima: Zoological Science. 4. 285-292 (1987)
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[Publications] Komazaki, S. and M. Asashima: Development, Growth and Differentiation. 29(4). 323-331 (1987)
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[Publications] Asahima, M. ;H. Nakano;T. Matsunaga;M. Sugimoto and H. Takano: Development, Growth and Differentiation. 29(3). 221-227 (1987)
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[Publications] Asashima, M. ;Y. Fujii;K. Shimada: Development, Growth and Differentiation. 29(4). 403 (1987)
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[Publications] 木下圭, 浅島誠: 細胞工学. 6(11). 884-893 (1987)
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[Publications] Asashima, M. ;T. Oinuma and V. B. Meyer-Rochow: Zool. Science. 4. 411-425 (1987)
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[Publications] 渡辺強三監修, 浅島誠, 佐々木史江, 木下勉 他: "「両生類の発生と変態」-オタマジャクシの電子顕微鏡的観察" 西村書店, 203 (1987)
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[Publications] 佐藤温重, 山上明編, 浅島誠, 赤井住郡, 伊東盧一, 平林民雄, 湯島博, 松本二郎: "生物学24講" 東海大学出版会, 216 (1987)