1988 Fiscal Year Annual Research Report
予定外胚葉細胞に対する中胚葉性誘導物質の作用と遺伝子発現
Project/Area Number |
62540555
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
浅島 誠 横浜市立大学, 文理学部, 教授 (00090564)
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Keywords | 中胚葉誘導 / 分化誘導物質 / HPLC / TGF / アクチビンA / 両生類胚 |
Research Abstract |
イモリやCynops pyrrhogasterやアフリカツメガエルXenopus laevisなど両生類の後期胞胚または初期原賜胚の予定外胚葉は未分化細胞塊と見ることができる。この予定外胚葉を切り出してHoltfreter氏液(イモリ胚)やSteinburg氏液中で培養すると、これらの細胞に何も与えないで細胞塊のみで培養したり、γーグロブリンなど誘導活性のないタンパク質をはさんだ時はいくら培養しても未分化細胞塊のままである。これにフナのウキブクロから抽出した物質を与えると筋肉や脊索など中胚葉組織が形態学的に分化してくる。前年より、この分化誘導物質の精製、分離を生化学的方法で試みてきたが、本年度は更にHPLC(高速液体クロマトグラフィ)のDEAEのカラムおよびヘパリン結合カラムを用いることによってこれを前進させて構製した。 フナのウキブクロから8M ureaで分化誘導物質を含む抽出した物を粗分画とし、それをDEAEーHPLCにかけると約20本のpeaksが280mmの吸収であらわれる。このとき0〜0.3M NaClまでの濃度でgradientにかけられた分画には多数のpeaksが存在し、AEー1分画とする。一方、0.4M NaClでおちてくる分画をAEー2分画とするとこれは見かけ上、単一peakであり、しかもこの分画に非常に高い中胚葉性の分化誘導活性があることがわかった。この分画を更にヘパリン結合性のHPLCを用いてわけると非吸着性の分画Hー2に分けられる。このときHー2分画の方がより高い中胚葉性の分化誘導活性があることがわかった。この分画に含まれている物質の定性を現在、進めているところであるが一部、DNAを含むことがわかった。この分画の中のDNAが誘導活性を持たないことはDNasel処理で明らかとなった。 また一方、新しく、中胚葉性の分化誘導物質として、TGFーβファミリー(transforming growth factorr-βーfamily)の1つのactibinAがはじめてみつかった。これはXenopusの予定外胚葉のpiece cultureで20mg/mlでも中胚葉の分化をおこす。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mayer-Rochow,V.B.;M.Asashima: Zool.Anzerger. 220. 720-731 (1988)
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[Publications] Asashima,M.;V.B.Mayer-Rochow: Zeitschrift f.mikroskopisch-anatomishe Forschung. 109. 872-874 (1988)
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[Publications] Shimada,K.;N.Tomaru;M.Asashima: J.Jpn micorgravity Appli.5. 2-4 (1988)
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[Publications] Asashima,M.;T.Onimura;S.Komazaki: Zool.Science. 6. (1989)
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[Publications] Asashima,M.;Kameyama,T.;Obinata,T.;Kinoshiat,K.: J.Yokohama City Univ.(Natural Science). 3. (1989)
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[Publications] M.Asashima;Malacinski,G.;S.C.Smith: "Developmental Biology of the Axolotl" Oxford Univ., 255-263 (1988)