1987 Fiscal Year Annual Research Report
魚類色素胞運動制御神経における伝達物質放出調節機構の研究
Project/Area Number |
62540560
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
大島 範子 東邦大学, 理学部, 講師 (70057735)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 良三 東邦大学, 理学部, 教授 (10045354)
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Keywords | アデノシン / シナプス後抑制 / 魚類 / 神経伝達物質 / アドレナリン作動性神経 |
Research Abstract |
魚類の色素胞運動制御神経におけるシナプス伝達放出抑制の機構についてはこれまで知られていなかった. 本研究は適切な材料としてティラピアを選択し, 尾ひれの剥離標本を用いて実験を行った. ティラピアの他, 海産のドロメやルリスズメダイを用いても, 同様な結果を得ることができた. ほ乳類の平滑筋の報告とは異なり, 魚類の色素胞制御神経ではノルエピネフリンは伝達物質放出量に影響を及ぼさなかった. アデノシン(ATP)は10^<-6>M以上の濃度で放出を抑制した. すなわち^3H-ノルエピネフリンを含む生理的塩類溶液中でひれ標本を1時間インキュベートし, 2分ごとに溶液をサンプリングし, 液体シンチレーションカウンターで^<13>H崩壊数を計測した結果, 何ら刺激しなくても^<13>H-ノルエピネフリンは常時リークしていることがわかった. 電気刺激すると, ^3H-ノルエピネフリンの放出量が約40%増加した. ところが, アデノシンで2分間前処理し, アデノシン共存で刺激すると放出増加が抑制された. アデノシン濃度の増大と共に抑制効果も大きくなった. さらに, アデノシンの抑制効果はメチルキサンケン類で阻害された. ATPも同様な放出抑制効果を有し, その作用もまたメチルキサンチンで阻害された. ノルエピネフリン^3H-ノルエピネフリン放出をさまたげなかったし, またフェントラミンでα-受容体は放出抑制に関与していないと思われる. さらに, その他の実験より, シナプス前膜のアデノシン受容体が放出抑制に係ることは確実で, そのタイプは黒田らによってADD_1と命名されたものと同一ではないかと予想された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Kasukawa,H.,Oshima,N. and Fujii,R.: Zool. Sci.4. 243-257 (1987)
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[Publications] Oshima,N. and Fujii, R.: Cell Motility and Cytoskeleton. 8. 85-90 (1987)
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[Publications] Kasukawa,h. and Oshima, N.: Pigment Cell Res.152-157 (1987)
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[Publications] Oshima,N. and Fujii,R.: Comp. Biochem. Physiol. A. (1988)