1988 Fiscal Year Annual Research Report
下等脊椎動物の心房性ナトリウム利尿ホルモンに関する研究。
Project/Area Number |
62540571
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
青戸 偕爾 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (30000714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 佐紀子 日本女子衛生短期大学, 講師 (10101213)
中村 澄夫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80104496)
広浜 徹 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (90101211)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ホルモン / 心筋細胞 / σ-ANP / 浸透圧調節 / チロキシン / 下垂体ホルモン / 魚類 / 両性類 |
Research Abstract |
前年度の研究で魚類および両性類で得られた心房性ナトリウム利尿ホルモン様物資(ANP)に関する知見を再確認するとともに、下記のごとく研究を発展させた。 1.魚類のANPについて。(1)コイの心房・心室抽出物をゲルクロマトグラフィーとラジオイアッセイ(RIA)で分析した結果、分子量が哺乳類のα-、β-、σ-ANPに相当する3種のANPが存在すること、とりわけσ型(プレホルモン)が多いことが明らかになった。また、ANPは心房・心室筋細胞無いの分泌顆粒内に含まれることを免疫細胞化学法により明らかにした。(2)淡水適応のウナギを海水に移すと、心房筋細胞の微細構造が変化すること前年度に観察したが、今年度は免疫細胞化学法を用いて次の結果を得た。即ち、各分泌顆粒の免疫活性は対照群に比べ、海水移行後1日では低く、移行後1週間では高い。これまでに得られた結果より、ウナギにおけるANPの合成・放出の速度は環境濃度の変化に対応して変化することが、強く示唆された。 2.ヒキガエルのANPについて。(1)胚発生の初期に甲状腺または下垂体の原基を除去しても、心臓のANP反応(免疫組織化学法)は正常固体と同時期に陽性となるので、チロキシンや下垂体ホルモンが欠除しても心筋細胞によるANP合成が開始されることがわかった。(2)成体心筋細胞内の分泌顆粒には大小2種が区別されるが、いずれもANPを含む(免疫細胞化学法)。(3)繁殖期(水中生活)には非繁殖期(陸上生活)のものに比ベ、心筋細胞の核が著しく大きく、心筋細胞の示す免疫活性のことから、繁殖期のヒキガエルでは、血中に増加したANPが水やナトリウムの代謝に何にらかの役割を演じている可能性がある。
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[Publications] Tohru Hirohama.: Zoological Science. 5. 833-845 (1988)
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[Publications] Sumio Nakamura.: Zoological Science.5. 1308 (1988)
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[Publications] haruko Uemura.: Zoological Science. 5. 1038 (1988)
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[Publications] Tohru Hirohama.: Development,Growth & Differentiation. 31. (1989)
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[Publications] Haruko Uemura.: Proceedings of the Japan Society for Comparative Endocrinology.3. (1989)
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[Publications] Haurko Uemura.: Proceedings of the Japan Academy.