1988 Fiscal Year Annual Research Report
四国西部におけるいわゆる外和泉層群についての層序学的、構造地質学的研究
Project/Area Number |
62540585
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
高橋 治郎 愛媛大学, 教育学部, 助教授 (70116945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿島 愛彦 愛媛大学, 教養部, 教授 (10036197)
松尾 秀邦 愛媛大学, 理学部, 教授 (20019798)
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Keywords | 外和泉層群 / 上部白亜系 / 四国西部 / 放散虫化石 |
Research Abstract |
本年度は、主として愛媛県東宇和郡宇和町や城川町、宇和島市周辺の地質調査をおこなった。また、中央構造線の北側に分布する上部白亜系和泉層群についても松山市南西方の地域や新居浜市東方地域の調査研究をおこなった。これらの調査研究をふまえて、和泉層群、外和泉層群、宇和島層群(四万十累層群下部四万十層群)の岩相・堆積構造・地質構造の差異を検討した。 本年度に得られた知見およびこれからの課題は次のとおりである。 1.城川町に分布する菊野谷層は、これまで下部白亜系とされていたが、産出する放散虫化石からは、ジュラ紀中期から白亜紀前期(Hauterivian)にかけて連続して堆積したものである。 2.和泉層群、外和泉層群、宇和島層群の堆積の場は以下のように推定される。 和泉層群中央構造線の活動によって形成された東西に狭長に延びる構造盆地。すぐ北側には、東西に連なる火山帯が位置する。 外和泉層群大陸棚。北側に位置する三波川-秩父帯は陸地(一部和泉堆積盆とつながる海域?)を構成していた。しかし、三波川変成岩類は侵食される環境下にはなく、おそらくは三波川変成岩類の上に本変成岩類とは判定されない弱度成岩や非変成岩が存在していたものと考えられる。 宇和島層群大陸棚-大陸斜面-深海平坦面。宇和島層群は、本層群中に貫入している高月山花崗岩中の捕獲岩から、変成岩や火成岩よりなる大陸地殻の上に堆積したものと推定される。 プレート論に立脚した西南日本の後期白亜紀の地質構造発達史については、現在検討中であり今後の課題である。
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