1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540599
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
大場 忠道 金沢大学, 教養部, 教授 (60013588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷村 好洋 国立科学博物館, 研究員 (80141985)
大村 明雄 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019488)
加藤 道雄 金沢大学, 教養部, 助教授 (10093741)
高山 俊昭 金沢大学, 教養部, 教授 (40004361)
|
Keywords | 黒潮前線 / 海洋古環境 / 海底コア / 微化石 / 酸素・炭素同位体比 / 第四紀後期 / 年代決定 |
Research Abstract |
本研究は、本州南岸の沖合から数本の海底コアを採取し、それらに含まれる各種微化石〔浮遊性有孔虫(大場)、底生有孔虫(加藤)、石灰質ナンノプランクトン(高山)、珪藻(谷村)、放散虫(山内:研究協力者)〕の群集解析、有孔虫殻の酸素・炭素同位体比(大場)および火山灰の年代決定(木村)を行って、第四紀後期における黒潮前線の移動と海洋古環境の復元を行うことを目的としている。 そのために、昨年度と引き続き駿河湾沖(KH-86-5、P-2)と沖縄トラフ(KH-87-2、CB-6-8)の海底コアについて、上述の研究分担に従って解析を行った結果、以下のような黒潮前線の移動が明らかになった。 黒潮前線は約1万4千年前に遠州灘沖を、1万2千年前には駿河湾沖まで達したが、1万2千から1万年前にかけては遠州灘沖と駿河湾沖の中間まで一担後退した。その後再び北上して約1万年前には房総半島沖に達し、6千年前の頃には小名浜沖まで勢力を伸ばして、その後現在と同様に銚子沖に至った。 昨年度初頭に日本海溝から回収されたセジメント、トラップについての研究は、本研究を飛躍的に発展させることができるものである。そこで、谷村、山内はそのトラップに補集された珪藻の群集かいせき・有孔虫殻の酸素・炭素同位体比・放散虫の群集解析を行った。これらの結果を海底コア中のそれぞれの微化石に適用することによって一段と内容の濃い研究が可能となり、目下その研究は進行中である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 大場忠道: 地球化学. 22. 13-19 (1988)
-
[Publications] 大場忠道: 第四紀研究. 26. 243-250 (1988)
-
[Publications] 大場忠道,魚本和典: 月刊海洋科学. 21. 239-246 (1989)
-
[Publications] 佐藤時幸,高山俊昭: 地質学論集. 30. 205-217 (1988)
-
[Publications] 大村明雄: 地質学論集. 29. 107-127 (1988)
-
[Publications] 谷村好洋: 月刊海洋科学. 21. 215-220 (1989)