1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62540612
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 久人 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (40006698)
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Keywords | 粘土鉱物 / 合成 / 変質 |
Research Abstract |
昭和62年度に購入した送風温度恒温器を用いて秋田県に豊富に存在する珪藻土を出発物質として、3-八面体型スメクタイトの合成を試みた。 秋田県鷹巣町産の珪藻土を乾燥後、48メッシュのフルイを通した粉体を塩酸処理した試料中のSiO_2成分とMgO成分のみに着目して、3-八面体型粘土鉱物であるヘクトライトの理論組成として不足しているMgO成分をMgCl_2水溶液として添加した。 塩酸処理した珪藻土にMgCl_2水溶液を加え、Si/Mgモル比をA=8/8、B=8/6、C=8/4.5、D=8/3の4つのシリーズを作り、これらのシリーズのすべての試料に添加物として、LiCl水溶液をSi/Li=8/1.5のモル比で加え、NaOH水溶液でpH=12.68とした。 これらのシリーズの溶液をテフロン製容器に封入し、反応温度を200℃とし、反応時間を3時間〜4時間で水熱反応を行った。反応後、急冷し室温で開封し、固形物を洗浄した反応は生成物をXRD、DTA及びTGを行って合成された粘土鉱物を同定した。 Aシリーズ(Si/Mgモル比=8/8)では反応時間3時間からスメクタイトが生成されたが、反応時間が12時間以上になると蛇紋石が生成された。 Bシリーズ(Si/Mgモル比=8/6)では反応時間が12時間からスメクタイトが生成された。 Cシリーズ(Si/Mgモル比=8/4.5)では反応時間が12時間からスメクタイトが生成されたが、反応時間が3日以上になるとタルクが生成された。 Dシリーズ(Si/Mgモル比=8/3)ではアモルファスのXRDパターンを示す物質しか生成されなかった。 この結果から珪藻土を用いた3-八面体型スメクタイトの合成の最適条件はSi/Mgモル比=8/6、反応時間:200℃、反応時間:24時間以上である。
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