1988 Fiscal Year Annual Research Report
東北日本海側中期中新世広域玄武岩の地質学的岩石学的研究
Project/Area Number |
62540617
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
周藤 賢治 新潟大学, 理学部, 助教授 (50143748)
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Keywords | 飛島玄武岩 / P型深海性ソレアイト / T型深海性ソレアイト / バイモーダル型火山活動 / 日本海拡大 / マントルダイアピル / 海洋性火山岩に似た火山岩 |
Research Abstract |
山形県酒田市北西沖合約40〓に位置する飛島の第三紀玄武岩の地質学的,岩石学的研究を実施した。その結果、次のような重要な事実が明らかにされた。(1)飛島玄武岩は、熔岩流・岩脈・ハイアロクラスタイト・エピクラスティックな火砕岩などの産状を呈する。(2)玄武岩はカンラン石および斜長石の斑晶からなり、石基の輝石は単斜輝石だけからなる。(3)石基単斜輝石の化学組成と共存する斑晶斜長石とカンラン石の化学組成は、深海性ソレアイトの性質を有する。(4)FeO/MgO/-TiO_2、FeO/MgO-FeO、YZr/Y、Y-Cr、TiO_2-P_2O_5、Ti-CrおよびTi-Ni図などで飛島玄武岩の化学組成を検討すると、本玄武岩は島弧性ソレアイトとは異なりPorT型の深海性ソレアイトに類似している。これらの諸事実から、飛島幻武岩は深海性ソレアイト型の玄武岩であると結論される。飛島には、このような玄武岩とともにデイサイトおよび流紋岩を産し、火山活動はバイモーダル型で特徴ずけられる。このような火山活動は、東北日本弧においと、注記中新世(16〜14Maあたり)の火山活動に特徴的なものであることからすると、飛島の火山活動の地質時代は中期中新世であると考えられる。東北日本弧においては、中期中新世の火山岩の中に、海洋性火山岩の産出は、そのような火山岩の産出と同様な地質学的意義があるものと考えられる。すなわち、日本海の拡大が20〜15Maに起ったとすると、飛島玄武岩を含む東北日本弧の中期中新世の海洋性火山岩に類似の火山岩は、日本海拡大時期に形成された可能性がある。これらの火山岩の岩石組合せが、アイスランドの火山岩の岩石組合わに酷似していることから判断すると、海洋性火山岩に類似の火山岩は、アイスランドの火山岩を生成したとみられるマントルダイアピルと同様な組成のマントルダイアビルに由来している可能性がある。
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Research Products
(2 results)