1988 Fiscal Year Annual Research Report
高圧珪酸塩鉱物の熱測定による相平衡図の精密化とマントル構造への応用
Project/Area Number |
62540618
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
赤荻 正樹 金沢大学, 理学部, 助教授 (30126560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木原 国和 金沢大学, 理学部, 助教授 (70019503)
松本 〓生 金沢大学, 理学部, 教授 (20019467)
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Keywords | 高圧実験 / マントル / 相転移 / 熱測定 / 相平衡 / 珪酸塩 / エンタルピー / 精密化 |
Research Abstract |
昭和63年度には超硬合金製アンピル(焼結ダイヤモンドをアンピル中央に埋め込む)を用いて、高圧実験が続けられ、Mg_2SiO_4-Fe_2SiO_4系オリピンの高圧相(変形スピネル、スピネル)の合成が行われた。Calvet型高温微少熱量計を用いて、これらの相の溶解測定がなされた。試料合成は、岡山大学地球内部研究センターとの共同研究として、分割球体一軸圧縮装置を併用して行われた。Mg_2SiO_4のオリピン-スピネル、変形スピネル-スピネル転移のエンタルピーとFe_2SiO_4のオリピン-スピネル転移のエンタルピーが測定された。今回得られた測定値は従来の値よりも高精度に決められた。またMg_2SiO_4-Fe_2SiO_4系スピネル固溶体が正の混合エンタルピーを持つことも示された。これらの結果を用いて相平衡図の熱力学計算がなされた。Mg_2SiO_4のオリビン-変形スピネル-スピネル転移の相境界線は最近精密な実験によって決められたKatsura and Ito(1988)とよく一致する。またFe_2SiO_4のオリビン-スピネル転移の相境界線は高圧×線実験の結果(Yagietal.,19879と矛盾しない。Fe_2SiO_4のオリビン-変形スピネル転移(仮想的な相転移)の熱力学的諸 見を見積もった上で、Mg_2SiO_4-Fe_2SiO_4系のオリビン-変形スピネル-スピネル転移の相平衡図を計算した。この結果は従来の相平衡図(Ringwood and Majar,1970;Kawada,1977)よりも変形スピネル及びそれを含む二相領域が広くなり、最近のKatsura a nd Ito(1988)とよく一致した。 以上の他にNi_2SiO_4のオリビン-スピネル-N〓O+スティショバイト転移、ZuSio_3の輝石-イルメナイト転移についても実験を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Akaogi,M.: Physics and Chemistry of Minerals. 14. 435-440 (1987)
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[Publications] Akaogi,M.: High-Pressure Research in Minerla physics (Americam Geophysical Union/Terra Sci.Publ.). 251-260 (1987)
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[Publications] Yagi,T.: High-Pressure Research in Mineral Physiscs(American Geophysical Union/Terr aSci.Publ.). 141-147 (1987)
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[Publications] Akaogi,M.: Dynamical Processes of Material Transport and Transformation in the Earth's Interior (Terra Sci.Prbl.). (1989)
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[Publications] McMillan,P.: Physics and Chemistry of Minerals. (1989)
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[Publications] Akaoqi,M.: Journal of Geophysical Research. (1989)