Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 正雄 筑波大学, 体育科学系, 講師 (10015886)
高橋 彬 筑波大学, 体育科学系, 教授 (00009979)
阿江 通良 筑波大学, 体育科学系, 講師 (10175721)
渋川 侃二 筑波大学, 体育科学系, 教授 (90015694)
山崎 信寿 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (70101996)
|
Research Abstract |
本年度は基礎データの収集を目的として, 対照群である日本人被験者の歩容について下記の実験を行った. 1.前額面内と水平面内における歩行運動の特徴をとらえるために, 赤外光受光型半導体カメラシステムを用いて上体と腰部の運動計測を行い, その変位と角度変化の特徴を解析した. 各標点の二次元座標値と, 既知の標点間距離を用いることにより, 歩行周期, 歩行測度, 歩幅, 歩調の基本因子と, 上体と腰部の傾斜, 回旋, 前後屈のそれぞれの平均角度と振幅, 振幅比, 位相差, 運動の動揺性, 対称性, 再現性, 円滑性などの運動評価指数を定義した. 成人男子22名, 女子21名について, 遅い, 普通, 速いの3種の速度で歩行計測を行い, 以下の結果を得た. (1)歩幅は男子が, 歩調は女子が大きい. (2)上体と腰部の傾斜角度の振幅, 上体傾斜角度の対称性, 傾斜角度の位相差は男子が大きい. (3)歩行速度が大きくなる程, 進行方向の動揺性と腰部の前後屈角度振幅が増大する. (4)健常者の腰部の平均角度振幅は前後屈角2.2°, 傾斜角2.8°, 回旋角4.2°である. 2.歩容の速度依存性を分析するために, 成人男子4名をトレッドミル上で毎分50mから150mまで5段階の歩行および毎分100mから300mまで5段階の走行をさせ, フットスイッチおよび側面・背面からの高速ビデオによる歩容解析を行った. さらに形態要因の寄与を知るために, マルチン法による形態計測および身体重心計測を行い, 以下の結果を得た. (1)比重心高は平均56.9%である. (2)歩行・走行とも歩調は速度とともに増加するが, その度合いは歩行の方が大きい. (3)toe-offにおける関節角度(屈側)は速度とともに増大するが, 足関節角度は歩行150m/minおよび走行300m/minでは, それ以下の速度にくらべて減少する傾向がみられた.
|