1988 Fiscal Year Annual Research Report
IIーVI族化合物半導体の表面障壁ダイオードに関する研究
Project/Area Number |
62550012
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Research Institution | NAGOYA INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
佐治 学 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50024211)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 和人 名古屋工業大学, 工学部, 講師 (60182333)
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Keywords | MOCVD法 / CdTe結晶成長 / AES、ESCAによる表面分析 / 結晶表面の安定化 |
Research Abstract |
CdTeバルク単結晶の品質向上を目的として、従来のブリッヂマン炉の替わりに独立した8ゾーンのヒーターをコンピュータで制御することにより炉の温度分布を移動させる変形ブリッヂマン炉を自作し、CdTeと熱膨張係数がほぼ等しいpーBNルツボを用いた結晶成長を行い、転位密度の減少に有効であることを示した。又、この結晶表面の安定化について、従来からのBrーメタノールによるエッチングに加えて、エッチング後にH_2気流中で450℃、20分間の熱処理を行い表面吸着酸素の除去、Te過剰な状態の改変がなされ化学的にも安定な表面がえられることをAES及びESCAの測定により見出した。安定化した表面にAuを用いてショットキー障壁を作り、DLTS測定より0.46eVにVcdと考えられる準位のみを検出した。 CdTe薄膜結晶の成長法として、MOCVD法によって、CdTe(100)、(111)A、(111)Bの各面方位基板上にホモエピタキシャル成長を、GaAs(100)基板上にヘテロエピタキシャル成長を行った。原料ガスとしては、ジメチルCdとジエチルTeを用い、結晶成長条件として、圧力60Torr、DMCdを1×10^<-5>mol/min、キャリアガスHzを1SLM,温度を350〜480℃、原料のTe/Cd比を1〜10と変化させた。400℃以下ではDMCdの熱分解が成長を律速し、400℃以上では温度と供給Te量によって制御されるCdTe面上の単体Cdの再蒸発が成長を律速し、CdとTeの表面反応に依存するLangmuir-Hinshelwood型の成長機構によることを明らかにした。成長の基板面方位依存性では(100)面エピ層が表面モホロジも良く、品質も良いことをSEM、PL、X線ロッキングカーブの測定より明らかにした。又、GaAs(100)上へのヘテロエピでCdTe(100)が再現性よく成長する条件を見出した。エピ層は厚さ2μm以下では基板(GaAsからのGaの拡散で半絶縁性又はn型を示すが、2μm以上の層ではP型となり、正孔密度は6.8×10^<14>〜4.5×10^<15>/cm^3、移動度40〜100cm^2/V・secで、ほぼバルク結晶に匹敵する品質になった。
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[Publications] K.Yasuda;S.Sone;N.Matsui;M.Saji: Electronic Mateials Conference(EMC). (1989)
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[Publications] K.Yasuda;Y.Iwagami;M.Saji: The 9th International Conference on Crystal Growth(ICCG-9). (1989)
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[Publications] K.Yasuda;N.Matsui;S.Sone;A.Tanaka;M.Saji: J.Appl.Phys.