1988 Fiscal Year Annual Research Report
焼結セラミックス絶縁層を有するMO-CVDZn(S,Se)薄膜EL素子の開発
Project/Area Number |
62550019
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
高田 新三 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70064467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南戸 秀仁 金沢工業大学, 工学部, 教授 (30133466)
南 内嗣 金沢工業大学, 工学部, 教授 (70113032)
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Keywords | エレクトロルミネッセンス / 薄膜EL / 絶縁層 / 焼結体セラミックス / MOCVD / NIS構造 / 発光素子 / 発光効率 |
Research Abstract |
昭和63年度は、表記研究課題に示すような薄膜EL素子の開発を目的として、以下の点を中心に研究を進めた。その結果、裏面に示すように所期の研究成果をあげることが出来たので報告する。 1.本EL素子の絶縁層兼基板であるBaTiO_3セラミックスの作製条件からの検討も行い、その最適作製条件を確立することが必要である。即ち、BaTiO_3原料粉として長微粒子BaTiO_3を採用し、その粉末成型、焼結、及びセラミックス厚さの最適化を図る。2.BaTiO_3セラミックス上に、MO-CVD法によって発光層母体であるZn(SxSe_<1-x>)膜(但し当年度はx=1として進めた)の最適作製条件を確立する。即ち、本EL素子に対するZnS層の最適成長温度、最適膜厚をそれぞれ決定する。3.MO-CVD法により形成したZnS発光層母体に、ここでは発光中心としてMnを採用し、熱拡散法によるドーピング条件の確立を図る。即ち、Mnソースの検討、熱拡散温度・時間等の最適化を図る。4.BaTiO_3セラミックスの誘電的性質とEL特性の相関関係を明らかにする。即ち、種々の比誘電率、tanδを有するBaTiO_3セラミックスを作製し、EL特性に及ぼす影響を詳細に検討する。 以上により得られた成果の主な点は次の通りである。 (1)BaTiO_3粉の成形は0.6〔t/cm^2〕、焼結は、空気中1250℃〜1300℃で1.5時間とするのが最適である。 (2)セラミックス厚さは、研磨により0.2mmとする。 (3)発光層母体のZnS成長温度は37.5℃、膜厚は約400nmの時、最も優れたEL特性を示した。 (4)MnソースはMnS+ZnS:Mn粉とし、Mn熱拡散は、Ar中700℃、5時間が良い。 (5)BaTiO_3セラミックスの比誘電率は5500、tanδは2%付近に制御することによりEL特性が向上した。現在実現している再高発光輝度、再高発光効率、発光開始電圧は、それぞれ8000cd/m^2、11lm/w、7Vである。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.TAKATA.: Journal of Grystal Growth. 86. 257-262 (1988)
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[Publications] Shinzo TAKATA.: Japanese Journal of Applied Physics. 27. L247-L250 (1988)
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[Publications] Tadatsugu MINAMI.: Japanese Journal of Applied Physics. 27. L876-L879 (1988)
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[Publications] H.NANTO.: Thin Solid Films. 164. 363-367 (1988)