1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550021
|
Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 裕文 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (80001303)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮永 滋己 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70182037)
|
Keywords | 位相共役波 / 縮退4波混合 / 可飽和吸収 / 有機色素 |
Research Abstract |
エオシン, エリトロシン, フルオレセイン等の色素含有膜を作成し, Arレーザー励起縮退4波混合により位相共役波を発生させた. 定常状態の位相共役波発生効率やステップ関数励起による位相共役波の過度特性等に大きく影響を与えるパラメータは, 飽和光強度, りん光寿命, 三重項収率, 吸収係数・膜厚積である. 昭和62年度には, 各色素に対し同じ値をもつ吸収係数・膜厚積の試料を作成し, 上述のパラメータと位相共役波の諸特性の関係を検討した. 1.入射光強度を変化させて各色素膜の非線形透過率を測定し, 各色素膜に対する飽和光強度を求めた結果, エオシン(1.1W/cm^2)<エリトロシン(2.2W/cm^2)<フルオレセイン(3.0W/cm^2)を得た. 飽和光強度が低いほど, 低パワ励起で位相共役波を発生させることができる. 2.りん光寿命の測定値は, エリトロシン(0.8ms)<エオシン(5ms)<フルオレセイン(50ms)であった. ステップ関数励起による位相共役波の立ち上り時定数もりん光寿命と同じ順序であった. 3.蛍光寿命は各色素とも数nsであった. 現有CRTの帯域制限のためより詳細なデータは得られなかった. 4.窒素レーザー励起色素レーザーにより励起パルスと遅延プローブパルスを各色素膜に照射し透過率を測定し, 三重項収率を求めた結果, フルオレセイン<エオシン<エリトロシンの順序であった. 5.パルス列励起の際の後続の位相共役波の立ち上り時間の短縮は前段パルス励起の際に生じた残存ポピュレーション格子であることが明らかになった. 昭和63年度には主に色素を3準位モデル近似した理論と実験結果の比較検討, 理論の適用範囲を調べる.
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 藤原裕文(H.Fujiwara): Optics Communications. 65. (1988)
-
[Publications] 中川一夫(K.Nakagawa): Proceedings of the SPIE. 813. 527-528 (1987)
-
[Publications] 宮永滋己(S.Miyanaga): Optics Letters.
-
[Publications] 藤原裕文(H.Fujiwara): Journal of the Optical Society of America B.