1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550039
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
島岡 五朗 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (00020462)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 晃一 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (10022138)
中西 洋一郎 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (00022137)
伊ケ崎 泰宏 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (60022133)
|
Keywords | 中速電子回析 / マイクロチャンネルプレート / オーシェ電子分光 / 半導体単結晶 / 清浄表面 / 表面超薄膜 / 画像処理 / 超構造 |
Research Abstract |
中速電子回折(MEED, 加速電圧0.2〜10kev)は従来の反射高速電子回折(RHEED)や低速電子回折(LEED)の欠点を補う上で, 優れた特色のあることが本研究の結果明らかとなった. 本年度は特にマイクロチャンネルプレート(MCP)を用いた回折強度の増幅とオージェ電子分光(AES)及びX線光電子分光(XPS)による表面組成分析を行い, 半導体単結晶の清浄表面およびこれに金属原子を吸着させた場合の表面状態について研究を行った. 現在までに得られた成果の概要は次の通りである. 1.現有の超高真空装置(〜2×10^<-10>Torr)に取付けるため, MCP型MEED-AES分析装置を購入し, 電子銃, 試料マニピュレータ, 表面清浄化処理機構, 蒸発源用セル, ガス導入系などを整備し, 半導体結晶表面の原子レベルでの清浄化処理および表面超薄膜の成長実験をよく制御された条件下で行うことが出来た. 2.上記の系による回折強度や表面組成分析結果をCRTを用いた画像処理によって容易に表示出来る機構を整備した. 3.試料として, 数種の半導体単結晶:Si(111), (001), (110);GaP(111), (III), (001), (110);およびGaAs(001)などの表面を用い, 原子レベルでの清浄化処理を行い, MEED-AES測定をした. その結果, 清浄表面として, Si(111)7×7;Si(001)2×1;Si(110)16×2;Gap(111), (III), (001), (110)1×1;GaP(001)2×1;GaAs(001)1×1および4×1などの正常および超構造が観察された. 4.これらの清浄表面上に少量のAgまたはNi原子を供給し超薄膜を形成させた場合の研究では, Si(111)√<3>×√<3>R30°Ag相の他, Si(110), (001);GaP(001), (110)およびGaAs(001)面上ではAgの一次元格子が, またSi(110)面上では極微量のNi原子の存在による4×5および2×1超構造の形成が確認されるなど, 多くの重要な成果が得られた.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 大久保純一, 林智幸, 島岡五朗: 真空. 30. 260-264 (1987)
-
[Publications] 島岡五朗, 本城益司, 林智幸, 鈴木佳子, 中西洋一郎: 真空. 31. (1988)
-
[Publications] 島岡五朗, 林智幸, 本城益司, 鈴木佳子, 中西洋一郎: 第7回表面科学講演大会(日本表面科学会)1A-16(1987. 12)「表面科学」.
-
[Publications] 本城益司, 林智幸, 鈴木佳子, 中西洋一郎, 島岡五朗: 第7回表面科学講演大会(日本表面科学会)1A-15(1987. 12)「表面科学」.
-
[Publications] 中西洋一郎, 鈴木佳子, 島岡五朗: 日本学術振興会・薄膜第131委員会・第140回研究会資料. 36-41 (1987)